私が大事にしている宝物に古いデジタル時計がある。これは親戚のおばちゃんから頂いたもので、その金を出してくれたのが母方のじいさんだ。じいさん最近の時計は解らないということで当時おばちゃん(母の妹)に相談したらしい。中学生のときに誕生日プレゼントとしていただいたので遥か昔のシロモノだ。電池を変えた回数は忘れた。パーツ交換は2回。もう部品が無くて修理不能。ベルトは4本換えている。今は液晶が寿命らしく一定の角度でないとデジタル表示が見えない。従って腕時計なのに部屋に飾ってある。
私はじいさんが大好きだった。実に明治生まれの人なので相当頑固な爺さんだったが当時の人にしては珍しく大変博学でめちゃめちゃお洒落だったんだ。服装やら小物の扱いは非常に洒落ていたのを今でも覚えている。孫の私は全くその辺興味が無くて申し訳ない限りだが。でそのじいさんから頂いた時計は私にとっての宝物でとても捨てる気にはなれなかったのだ。だからいまでも無理やり使っている。完全にガラクタになったら家の庭にでも埋葬しようと考えるくらい大事にしている。
ふとこの間、クリスマスプレゼントの話に彼女となった。私はクリスマスを祝う習慣がそもそもない。ましてやガキのころからプレゼントなんかももらったためしも無い。だから素で『なにが目出度いのだ?』と聞いてしまい怒られた。
『別にプレゼント欲しいとか期待してないけど!』
『今年は平日だしお泊りも無理そうだし!別にいいけど!』『でもなんかイベントしたいの!』
ああなるほど、普通の人たちはクリスマスがイベントになるのか。『休みであろうと無かろうと私にとっては他の平日と大差ないんだがな。』とは慈悲で彼女に言わないで置いた。
それでね。
何がプレゼントに欲しいとかの話になった。彼女は特に欲しい物が無いらしい。ネックレスを結構持っているみたいなので一つ増やしてみるか?と尋ねたら、『だったらブレスレットがいい』とか抜かす。欲しい物あるんじゃないか!この嘘つきめ!とのたまってみた。
『もらえると思って無かったの!上げるのは私の意志で出来るけどもらうのは無理と思っていたから・・・。』
彼女の言い分はこうである。私が付き合って上げている立場で、彼女は付き合ってもらっているのだから貢物を贈る事はあっても贈り物をいただける事は無いだろうと諦めていたとの事らしい。
私はそんなにケチンボじゃあないつもりだがな〜。『じゃあ、ブレスレットな?その辺で買えばいいのか?』
『私も一緒に行って選びたいw』
ではこうしよう。お前選んでこいよ当日そこへ行って私が金を出そう…。
『ぶん殴られた!』
なにかまずい事を口走ったらしい・・・。
『なにすんだよ!暴力反対〜!』(この間無言で人の事殴り続ける)
まあいいんですけれど。(激実話)
で、時計が欲しいと私は頼んだ。どのくらいの予算のものをリクエストしていいんだ?と私。
『数十万単位じゃなければOKだよ(^^)』
じゃあ5〜6万くらいの時計でも頼もうかな〜?
『うん、わかった。どこで選ぶ?』
おい!冗談だ。そんなもんは要らん!そもそも時計ってのはな・・・。(ここで冒頭のじいさんの話をした)だから、腕時計はしなくなった。じいさんの時計が思い入れ強いとけいだから。スーツを着るのに作業着用の吊るし時計ってのもな。
『うん!あれダッサイナーって思ってたの!スーツにアレはないだろう〜ってね』
私が思いっきりぶん殴ったのは言うまでもありません。
『痛い〜酷い〜切ない〜』
ダサくて悪かったな!作業性抜群なのあの吊るし時計は!
『でもかっこ悪いもん!』
殴るぞグーで!
『今殴ったもん!』
ったく。
まあ良い。じゃあ時計で決まりな。
『私も時計がいい(^^)v』
ブレスレットじゃないのかよ!
『選びに行きたいから時計がいい〜!』
だ・か・ら。だったら・・・。
『選んでもらうことに意味があるの!』
つまりこうか?選んでやる代わりに自分の時計は選んで欲しいと。
『そういうこっと〜!』(そういうことってのはこの女よく使う)
スケジュール調整ついたらな、お互いに。
『知ってるもん・・・。だから期待したくなかったの!(怒)期待するとがっかりもするもん!』『忙しいの知ってるから・・・。』