トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

台湾企業

鴻海精密工業ってご存知だろうか?

フォックスコンと言えば通じやすいだろうか?

フォックスコンが通称になっている台湾の巨大企業『鴻海精密工業』がシャープの筆頭株主だ。

OEMやODMで大量生産を軸にその殆どの生産拠点を中国に構えてガンガン稼いでいる世界的企業。天津やシンセンの巨大工場はもはやフォックスコン城下町。工場を取り巻くように町が形成され人の住むところが出来て都市と化した。その旺盛な生産能力とコストバリューで並み居る競合をあっという間に駆逐したのは記憶に新しいところだろう。

更に、中国国内の自殺者数増大に一役を担った黒い話も皆さんご存知だろう。

私はその『鴻海精密工業』がシャープと手を組んだから『技術流出』だとか『日本企業がのっとられる』とか言うつもりは無い。もっともそんなんで真似できる技術なんて多かれ少なかれ真似されるに決まっている。そんなんでシャープが乗っ取られるならそれはシャープがそこまでの会社だったと言う事だ。

それよりも何よりも注目して欲しいのは今ある日系企業の総惨敗は決して『技術で負けた』訳では無いと言う事。中国、韓国、台湾の並み居る技術者がどうしても技術力で敵わなかったが日本企業なのだ。『鴻海精密工業』会長は何年も前からシャープにラブコールを送っていたと日経記事にあった。

彼は『日本はスケールで負けたのだ私達と組めばそれが手に入るではないか!』とシャープ社長を口説いたと言う。

曰く、組んでアイフォンに勝とうと…。

これは一部その通りだが鵜呑みには出来ない。

親日派が多い台湾と言えどワールドビジネスの世界はそんなに甘くは無い。利益の為に人死にを屁とも思わない企業であるとの事を忘れてはいけない。

それを踏まえつつシャープは手を組んだ。もう後には引けない。技術で負けた訳ではなく本当に『価格』だけで潰されたのなら価格で競争できるメイドインジャパンなら戦える事を証明しなければならない。これで韓国、中国勢に勝てないのならそれは本当に技術立国日本の『死』を意味する。

その勝負にシャープは打って出た。

リスクを背負った賭けだが、勝てば旨味のある選択だと思われる。流石、世界の亀山工場建造を判断した経営者だけの事はある。後は本当に判断が正しかったか、証明されるだけだ。

遅かれ早かれ生き残るなら同様の選択を日本の家電系企業は迫られるだろう。

日本企業同士で提携したどこぞの会社よりも私は思い切って『鴻海精密工業』を選んだシャープに部があると思う。

しぶとく強く、強かにシャープには日本企業の底力を見せてもらいたい。