トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

自国の産業

中国でガチ国産車を開発しようと頑張っているのは町工場。

(記事抜粋)

「どんな車でも作れますよ」
そう豪語した中国の老板(経営者)は、私をとある自動車工場に連れて行った。自動車工場と言っても街の郊外にある工場だ。日本にあるような大手企業の巨大自動車工場ではない。1000坪ぐらいの敷地に3棟の工場母屋がある程度である。

「コウジョウ」

というより「コウバ」と言った感じだ。

ひょっとしたら通訳が「部品メーカー」を「車体メーカー」と訳し間違えたのではないかと思っていたが、確かにそこは自動車車体を製造しているメーカーだった。その証拠に、所狭しと部品が並べられている。半完成品の扉、ハンドル、タイヤ、圧巻だったのは、ある区画にびっしりと並べられたエンジンだった。


「このエンジンは自社製です」

そう説明するのは、ここの工場長。確かに日本製ではなさそうだ。多くの日本の自動車工場を見学してきたので、それくらいなら分かる。日本車に付いている様なエンジンではなく、農耕機についているような簡素なエンジンなのだ。現場では器用にそのエンジンを組み立てていた。組み立てラインなどはない。エンジンと車を持ち上げるクレーンが1台あるだけで、それを器用に使って組み立てているのである。

工場の片隅では、溶接が行われている。しかも驚いたことに、そこには単純ではあるがロボット型の溶接マシンが導入されていた。「このマシンも我々が独自に開発しました」と社長は言う。

「日本に勤めていたことがあるエンジニアが中心になって設計しました。それぞれの部品は中国製です」
確かに、自動溶接アームの先には中古の製造元が書かれている。社長の言葉を信じるならば、「オール・メイド・イン・チャイナ」だ。

「日本の設備は使わないのですか」と聞いてみると、「日本の設備は、高額ですしメンテナンスもできません。難しいコンピューター制御もついていて壊れると直す事ができないのです。むしろ、中国製は単純で動きがはっきりしています」とのこと。日本の部品に関しても、「エンジン一つをとっても、日本製品は優秀です。できれば日本のエンジンを使いたいですが、そもそも日本のメーカーは売ってくれません。自動車メーカーにとってエンジンは命ですから」という。

「われわれも一人前の自動車メーカーになるために、エンジンの開発に取り掛かったのです。全て自社製ではありませんが、部品は、全てメイド・イン・チャイナです」説明をしてくれたエンジニアは非常に誇らしげであった。

(記事抜粋終わり)

昔の日本はこういうところが多く存在したんだろうな。今は殆ど無いのだろうが。技術は兎に角トライ&エラーの繰り返しでしか成長しない。あっという間に何とかなる魔法もないし、そんな技術は直ぐに真似される。王道を行かなければならないからこそコア技術はきっちりガードできる環境を作る意識が必要だと思う。