トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

ユニチャームの組織

日経新聞より

一代で2千億円企業を築いた創業者、父の慶一朗(83)から社長を引き継いだ2001年。息子に任せて大丈夫? 今どき世襲か……。市場の反応は冷たく、株価は交代発表前のほぼ半値に。「おれは普通の人。おやじと同じ土俵で張り合わない」。常識を気にせず突き進んだ慶一朗と対照的に豪久がめざすのは社員の力を引き出す経営だ。

(中略)

毎週金曜の朝9時。東京・銀座の本社で「経営戦略会議」は始まる。社長の山内雅喜(53)が机を挟んで向き合うのは部課長、係長、一般社員。新サービスについて現場のアイデアを聞く。コンビニ店頭での荷物の受け取り、電子マネー決済。斬新なしくみはここから生まれた。

 この会議は宅急便を世に送り出した中興の祖、小倉昌男の時代から30年近く続く。若き日の山内も小倉の鋭い突っ込みに鍛えられた一人だ。「矛盾やおかしな点があると、すぐに見抜かれた」

 社員との対話から新たな発想を得て、同時に人材も育てる。類似の会議を年2回、地方でも開き、ドライバーの知恵も集める。規制や成熟の壁を小倉たちはどう乗り越えたか、実例で学ぶ「DNA研修」も繰り返す。小倉が経営から退いて約20年。会社の成長は止まらず、売上高は2倍以上に膨らんでいる。

どんな組織も勝っている創業社長が居る間は伸びる。その後2代目まではまあ何とか余力が続けば生き残る。3代はどんな企業も続かないだろう。

だから普通の組織は『カリスマ』を求める。

でもこれは無理な話だ。カリスマはいわば天才。その業種、業界に特化された特殊、異能の能力者だ。そんなものがそう簡単にポンポン出てくる訳がない。それを探すのは無理だと思う。ではどうするか?

人材を育て組織を作る事に徹するしかない。

天才を失っても組織『システム』が残っていれば必ず生き抜ける。その組織はどういったものか?私は新陳代謝が可能な組織だとおもう。人間の細胞が3か月で新陳代謝によって入れ替わるように、失敗しても落ち込んでも次から次にチャレンジし、修正し、勝つまで続けれらる組織が崩壊をさけ、環境変化に耐えうる力を持つと思う。


生物進化の過程では天才によって急激な繁栄をもたらす事はあっても『滅び』を回避できるとは限らない。繁栄を謳歌した勝ち組は勝ち抜いた環境が変わることで一気に滅びる事が多かった。進化は弱者のものだと私は思っている。故に常に新しい可能性が出てくる新陳代謝の出来る組織を残す事が唯一の組織存続方法だと思う。そういった意味で、青年世代にどんどんチャレンジさせない今の日本はまだまだだと思うし、その可能性がある故にまだあきらめるにはやいとも思っている。


女性登用はいいが、『若い世代』に完成度を期待するのではなく、失敗させてでもリカバリーの中からしぶとく成長させる戦略を期待したい。