トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

仕事の熱意って数値化できたんだ(驚)

世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかないことが分かった。米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位クラスだった。

 企業内に諸問題を生む「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」は70%に達した。

 

 かつて「会社人間」と言われた日本の会社員は勤務先への帰属意識を徐々に無くしてきた。それでも仕事への熱意がなぜここまで低下したのか。どうすれば改善するのか。来日したギャラップのジム・クリフトン会長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。

 ――日本ではなぜこれほど「熱意あふれる社員」の割合が低いのですか。

 「日本は1960~80年代に非常によい経営をしていた。コマンド&コントロール(指令と管理)という手法で他の国もこれを模倣していた。問題は(1980~2000年ごろに生まれた)ミレニアル世代が求めていることが全く違うことだ。ミレニアル世代は自分の成長に非常に重きを置いている」

 「それ以上に問題なのは『不満をまき散らしている無気力な社員』の割合が24%と高いこと。彼らは社員として価値が低いだけでなく周りに悪影響を及ぼす。事故や製品の欠陥、顧客の喪失など会社にとって何か問題が起きる場合、多くはそういう人が関与している」

 ――どうすれば改善しますか。

 「主な原因は上司にある。上司の言ったことを、口答えせずに確実にやれば成功するというのが従来のやり方だった。このマインドセットを変えないといけない。上司と部下が一緒になってどう結果を出すか、部下をどうやって成長させていくかを考えることが上司の仕事になる」

 「それには部下の強みが何かを上司が理解することだ。これまでは弱みを改善することに集中するのが上司の仕事だったが、得意でないことが強みに変わることはない。無気力な社員の半数は自分に合っていない仕事に就いている。合った仕事に変えるだけで無気力な社員を半分に減らせる」

 

 

日経ビジネスの記事より。

 

やる気がある無しって、数値化できたんだ(驚)

 

もう、それに驚いた。数値化が正確に出来るという前提で、その数字が世界最下位まで日本は低かったというのを考察したい。

まず、時代背景。

日本は他の世界が経験したことない事を2つ経験している。一つは超少子高齢化。一つは20年間のデフレだ。同世代の急激な減少により、参考例がまず減ってる。競争も団塊Jrから比べれば無いに等しい。そうやって、相対的競争も絶対的競争も自らの生存競争を脅かさないレベルで楽になっているのに、世の中が20年のデフレにあえいでいるせいで、絶対に勝者になれない世の中を生きてきたのが、今のやる気がないと言われている世代の若者だと私は思う。

 

負けが決定している消化試合を年がら年中しいられる人たちにやる気を出せと言われてもそりゃ説得力がない。未曽有のデフレを経験したのだから、世界最下位のやる気なのも納得だ。むしろ普通。正しい反応だと私は思う。でも、彼ら彼女らはその中で、戦略的負けが決定した中でも、希望を失い絶望したわけではない。人間が生き物である限り、絶望しないのはDNAレベルの刷り込みだから。絶望して自殺する野生動物がいるか?いないでしょ?生き物は本能的に生き残ろうとする。毎年3万人も自殺する日本人は見方を変えればもっとも理性が強く働く国民性を持った人間の集まりともいえる。だって本源的に避ける死すら、理性の働きで乗り越えて死ねる人が毎年、3万人超える国なのよ?

 

そんな彼らの戦略的敗北を耐え抜く生存戦略は『諦め』だ。徹底的に期待しない。夢や希望を持たない。そうすることで、悲惨な現状は日常と化し、たまに起こるラッキーはまぐれ当たりの大勝利に変貌する。実力で抗えない絶望的な戦況も、期待しないのだから現実として受け入れやすくなる。その結果、やる気のない人の絶対数が増えたとして、それに何の不思議がある?私は全然不思議じゃない。

 

で、

 

その解決策が、この世界的な人材派遣会社の偉い人の話によると部下と一緒に考えて成長させる上司であれ、適材適所を判断する上司たれ、だそうだ。そんな事、信長様の浮世から、日本はやってるっての!アホ過ぎて話にならん。

 

良く考えろ。そんな采配を振るえる上司をどうやって量産する気だ?原資はやる気のない今の世代及びそのちょっと前の世代だぞ?錬金術じゃあるまいにどうやってそんなスーパー上司を調達するんだよ?お話にならないと私は思う。

 

ただ、この記事が言っている問題点。不満をまき散らしている無気力な社員』の割合が24%と高いこと。彼らは社員として価値が低いだけでなく周りに悪影響を及ぼす。事故や製品の欠陥、顧客の喪失など会社にとって何か問題が起きる場合、多くはそういう人が関与している。というこの一点だけは共感できる。まさにその通り。愚痴は本人以外に周りを蝕む。だから組織から排除する必要がある。腐った枝は落とすしかないからだ。

 

私が、考える組織再編はもっと難しくもっと簡単だ。『励ます事』これに限る。暑苦しいくらいに励ましのエールを送る上司、これだけ。下手な戦略や小手先の技など、絶望的な20年を過ごした若者になんぞ通用しない。だって、世界レベルで初めての絶望を味わった人たちだから。

 

それを打開するのは励ましだ。漫画やアニメのヒーローが希望を失うか?ちがうだろ。暑苦しいくらい、希望を失わず何度でも這い上がり、その絶望的な状況さえ逆転して勝利をおさめる。それがヒーローだろ?でも今はそんなヒーローは居ないし、出てこない。だから、絶望戦略に走る。でも、励ましはタダだ。上司のやる気次第。ここが難しいところ。励ますのは簡単。続けるのは至難。

 

上司の生命力にかかっている。絶望に打ちひしがれてる人たちをその人たちが立ち上がるその瞬間まで、励まし続けるのは相当先の見えない辛い戦いだ。しかも立ち上がったからと言って、彼ら彼女らが立ち続けるとは限らない。また倒れる事もあるだろう。それを承知で励まし続ける事ができる上司。職場のリーダーが果たして何人いるかな?

 

でもそういう事でしか、復活は望めないと私は思う。

 

本当の一人が立ち上がり、二度と倒れなくなるまで励まし切った時、反撃の狼煙は本当の意味で上がるのだ。建設は死闘、破壊は一瞬。粘り強く、そういう一人を育てて、組織化する以外、やる気のある人材群なんてそろわない。

 

人材の育成は至難の業だがやる事は簡単だ。最初の一人を育て上げれば良い。本物の一人を。一波が万波となる。どんな絶望的状況も希望を失わずしぶとく戦い続ける一人立つ人材。これを作る。それ以外にない。

 

大抵の人材論は見てるところがくるってると私は思うので、今回の記事に合わせて語ってみた。