トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

華為技術(ファーウェイ)日本進出製造業的な意味で・・・。

通信機器大手の中国・華為技術(ファーウェイ)が初の日本生産に乗り出す。年内にも大型工場を新設し、通信設備や関連機器を量産。日本の技術と人材を取り込み、日本や他の先進国で受注を増やす。事業買収や研究開発拠点の設置が中心だった海外企業による対日投資が生産まで広がる。中国企業が日本に本格的な工場を新設するのは初めて。

華為はスマートフォン販売の世界3位で、201612月期売上高は8兆円超。日本で初となる工場は、千葉県船橋市にあるDMG森精機の工場跡地と建屋を転用する。生産設備を導入し、早ければ年内に稼働する。当面の投資額は50億円程度とみられ、今後も追加投資を検討する。

 

 

日経新聞記事より。

 

とうとうと言うか、やっとことと言うか。気がついて実行に移してきたのね中国企業

 

円安に振れて、110円を行ったり来たりしているのでまあいきなりどかっと来るとは思っていなかったが、ファーウエイが来るとも思って無かった(笑)

 

考えてみて欲しい。今でも1ドル=120円になれば海外メーカーは日本でもの作りをした方が良いと本気で思っている。そのくらい日本のたとえアルバイトであっても、精巧な製造技術は世界で評価されているのだ。逆に日本以外の国に行ってみればよ~く解る。よくこんなもの作って売ってるなと(笑)

 

だから、ファーウエイの判断は正しい。いま中国はバブル期の日本がアメリカでガンガン土地を買収していた時の様な経済力を持っている。それを大ぴらに使い始めたのだ。

 

世界2位の経済大国で、世界1位か2位の総人口を抱える大国中国がなぜ、今頃外を買いに来たか?

 

考えられないでしょうが、中国人民がまだ食えてないからです。

 

爆買いやら、超大富豪ばかりがニュースになる中国で、明日の飯もろくにない人が一定数いるって信じられないでしょう。でも事実です。格差とかそんな話では無く、共産主義であるが故に特区に指定された特定の都市部以外は本当に潤って無いのです。もっというとマジで物々交換が行われている地域すらある。

 

お金もちではあるものの、広大な中国全土隅々にお金が回っている訳では無いのが、中国と日本の違い。日本は小国なので、一回決めた事が以外に簡単に国の隅々まで行き渡る。しかし、中国の様に広大な国土を持つ国はそうは行かない。特に中国は国体が連邦国家なわけで、地方政府がそれなりの権力を持っている。だから、香港やら台湾やらが、自治を認められ、独立する事を防いでいるのだ。

 

なので、貧乏な地方は貧乏なままなのである。なぜなら共産主義だから。

 

特別に貨幣経済に組み込まれた『特区』だけが、資本主義の恩恵を受けて隆盛を極めているに過ぎない。

 

で、日本がバブルの時は富が有る程度行き渡った。だから国全体がバブルに沸いたし、その感覚は国民全体におおよそ共有された。

 

中国はそうでは無い。なので、全体に行き渡ってないけど、儲かっている所が、より儲ける為に日本を『買い叩く』事を選んだのだ。しかも、根元から買い抜く。工場も、人も、技術もノウハウも全部まとめて買った。そして、自分は経営だけやって、得意なもの作りは日本人にやってもらう事にしたのだ。優秀なものつくり要員を集める為に疲弊した日本企業よりも高い給料で日本人をかき集めている。

 

若い世代は特に高給を目的にファーウエイに集まるだろう。丁稚奉公が必須の日本企業で技術職、生産職に付くくらいなら、権限を委譲してくれて、働きを数字で評価してくれ中国企業の方が判り易いからだ。

 

このファーウエイの件は始まりに過ぎない。業界を選ばずいずれ成功すれば他の業界も日本にやって来るだろう。これは半分喜ぶべきことだし、半分は残念な所だ。事、経営判断については中国人は商売が上手なので、結構ハマると強い側面が有る。だが、ものを開発したり作り上げたりする地味な作業は苦手だ。そこは日本で育った優秀な学生が受け持つだろう。そして、中国の資金が日本に流れるのはある面では外貨獲得なので喜ばしい。

 

ただ、中国は兎に角、儲けに正直だ。簡単に儲からなければその場所は切り捨てる。そういうドライな面を理解した上で、付き合うのであれば、結構面白い事になりそうだと私は期待したい。

 

中国が乗り込んでくるお蔭で、日本も技術立国として技術漏洩に気を遣うようになるだろうし、今までタダで日本人から搾取していた気使いや、準備、段取りが、実は無形の財産だった事に気が付くだろう。

 

どっちにしても、頭がお花畑の日本人経営陣を淘汰する貴重な機会になるので、まあ痛みは伴うだろうが、トータルで日本にとってはプラスかな。