トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

脱時間給、成果による賃金体制の幻想

連合は本当に働く人のための組織なのか。「脱時間給」制度の創設を一度は容認しながら撤回した連合の姿勢から抱くのは、そんな疑問だ。

 労働時間ではなく成果に対して賃金を払う脱時間給は、働いた時間では成果が測れないホワイトカラーが増えてきた社会の変化に即したものだ。

 工場労働が中心だった時代と違い、経済のソフト化・サービス化が進んだ現在は、労働時間で賃金を決められるよりも成果本位で評価してもらいたいと考える人も増えていよう。効率的に働けば労働時間を短くできるメリットも脱時間給にはある。そうしたホワイトカラーのことを連合は考えているのか。

 連合の新制度への反対姿勢に透けるのは、年功制や長期雇用慣行のもとでの旧来の働き方を守り抜こうとしていることだ。だが日本が成長力を伸ばすには、もっと生産性を上げられる働き方を取り入れることは欠かせない。

 グローバル化が進み、企業の競争が一段と激しくなるなか、働く人の生産性向上を促す脱時間給はできるだけ早く導入しなければならない制度である。単純に時間に比例して賃金を払うよりも、成果や実績に応じた処遇制度が強い企業をつくることは明らかだ。企業の競争力が落ちれば従業員全体も不幸になる。連合が時代の変化をつかめていないことの影響は大きいといえよう。

 働き方改革の法制化の全体像をみれば、連合が危惧する過重労働には歯止めをかける仕掛けもある。労働基準法改正案は脱時間給制度を盛り込んだ法案と、罰則付きの残業時間の上限規制などを定める法案を一本化して審議する段取りになっている。残業上限規制の新設は健康確保の面から連合の首脳らも評価してきた。

 

日経新聞記事より。

 

もうね。こういう事はそもそも現在の労働基準法をしっかり読んだのか?と言いたい。そもそも、ホワイトカラーが余の趨勢で、工場労働が無くなったかのような冒頭の発言だが、どこが?と言いたい。よく考えてみろ。確かに家電業界は相次ぐ工場閉鎖が言われた時期が有った。だが、基幹産業は?どの自動車屋が潰れました?どこも潰れてないじゃん!豊田自動車だけで、あの名古屋本社工場だけで、いったい何千人が工場勤務しているとおもってるんだ?経常利益2兆円産業の業界トップがほぼ半数が工場勤務ですが何か?その下請け企業数百社は全部、ソフト産業ですか?(笑)

 

トヨタ一社、自動車屋のたった一個ですらそうなのよ?どうやって、工場が減ってソフト産業隆盛と言える?数字有るの?工場勤務ったって、色々あるんだよ?購買や営業、総務、人事、調達、工務、維持管理、管理本部などなど。全部工場からみのサラリーマンです。これらに成果主義で正当な評価が下せますか?時間給以外の方法で効率化が測定できますか?

 

ならば問いますが、効率化は限界無く進められますか?

 

100年以上前の産業革命から言ったら、とてつもない効率化を確かに果たしているでしょう。でもその効率化のスピードと、賃金の削減幅とそもそもバランス取れていますか?効率化してないから給料上げません。いいでしょう。じゃあ、どこまで効率化したら給料倍になるんですか?そのために人力で無く、設備投資が必要な機械化が必須だったらどうなるんですか?本人の努力なんぞ、無くても良い事になりませんか?

 

それらの問題をなんら解決せずに『経済のソフト化・サービス化が進んだ現在』と言われても納得できねぇって言ってんだよ!

 

ましてや、『工場労働が中心だった時代と違い、』と言われても本当に中心じゃなくなってるの?と言いたくなる。だって、もしもそんなに『経済のソフト化・サービス化が進んだ』のならなんで、製造業の春闘の昇給幅があんなに注目されるんですか?IT企業の春闘が話題になったことが一回でもありますか?ないでしょ?

 

こういう嘘を日経新聞が吹聴していいんですかね?

 

バカも休み休み言え。そもそも日本企業で問題なのは効率化が出来てないからでは無い。

ましてや、

グローバル化が進み、企業の競争が一段と激しくなるなか、働く人の生産性向上を促す脱時間給はできるだけ早く導入しなければならない制度である。』

 

なんて事は絶対にない!

 

やらなきゃいけないのは、業務量と業務遂行者のミスマッチを無くす事だ。

 

例えば、IT企業のSEです。日本でSEになっている人の何割かは文系出身者でしょ?これオーストラリアでは有り得ません。かの国では、理系出身者で一定の資格と技量を持っている人が、然るべき給与で雇用されて、9時5時で帰って休みも普通に取ってます。でも日本は?過労死の温床とか言われているでしょ?なんで?仕事人が間違っているからだよ。

 

教員免許の無い人に小学校の先生させますか?させないでしょ?同じこと。然るべきレベルや知識の無い人にそれらが必要な業界の仕事をさせればそりゃ効率も悪いわ!構造的欠陥に対し、根性論で効率を良くしないと脱時給するぞ!ってバカというかもう正気の沙汰とは思えないでしょ?私は少なくともそう思うよ。いいか、文系たって、学士だぞ?専門と全く違う事やらされて、劇的な成果をあげろってのが無理だろ?

 

弁護士資格も無い人に弁護士業務を国が許さないだろ?そういうミスマッチが多いって言ってんの。デンソウとか、過労死が多い業界の構造的欠陥を政治的に解決してみいよ。あっちゅう間に効率なんざ、劇的に変わるから。

 

で、本題。

 

そんな改善が可能なのになんで、脱時給する必要があるの?むしろ、現行法で何とかする為に知恵を絞って、問題解決の為になにかした?あんたらが、脱時給したい目的は何?先の記事程度の目的しかないのなら、何も解決しないからやめてくれる?むしろ事態は脱時給した事によって、悪化すると思いますが?

 

私は別に効率を良くしなくていいとは言って無い。効率が良くなるならなった方が良い。AIだって、人が楽になるなら、ガンガン使って欲しい。でもな、どう考えてもおかしいからやるなと言ってるんだ。効率化なんて、少なくても幻想に過ぎない。脱時給の方法なんて、いまの方法では労働側の奴隷化促進法としか思えない。

 

話は簡単だ。納得させてくれ。勤労に励む労働者が喜んで受け入れる脱時給、成果評価制度ならいくらでもやるっての。どうにもこうにも胡散臭いんだよ!