何を言っているのか分からないと思います。
それでいいです。
今日はとても喜ばしい日。
人生でこれ以上の喜びはそうそうないでしょう。
中国人はプライドで飯を食っている民族です。
彼らはその自身の誇りの為には命も張ります。そして、他者を蹴落とすことも厭いません。むしろ積極的にやります。当たり前です。蹴落とされる様な実力しか持ち合わせていない人は足手まといだからです。
藩(Pan)という考え方があります。(当て字で厳密には違う字ですが、日本語で勘弁して下さい。)
日本語で一番近いのは『身内』です。親友と言い換えても良いですが、恐らく身内の方が近い意味合いでしょう。
身内以外はどうでも良いんです。騙そうが、蹴落とそうが。だって身内以外は『敵』ですから、中国的には。
ただ、身内に入ったら別です。それは少年ジャンプ的な意味で仲間であり、親友であり、戦友であり、家族なんです。だから、それこそ命がけで守る。これはその一人を見捨てる事は身内である『藩』を守れない事に通ずるからです。
今日、とある事情で、中国の会社の総経理へ一通のメールを送りました。内容はあまり芳しい意味合いのものではありません。中国に複数拠点のあるそれなりの規模の会社の董事長へ『NO!』の意思表示をする類のメールです。
日本の会社から駐在者として派遣されている身としては、協力会社であっても、相手は董事長(会長)であり、簡単に私の立場を握りつぶせる権力を持っています。この間、この相手の董事長とは良好な関係を保てており、董事長から直に私自身の仕事の成果について、感謝状が届いたこともある位なので、贔屓目に見ても評価は良好でした。
その私が、真っ向から、董事長を相手に『NO』を突きつける経営に関する問題提議をしました。以前から親交のあった無錫総経理(支社長的な立場)は私を慮って、こう電話で言いました。
『トマさんメール見ました。あなたのメールをこのまま董事長と筆頭総経理へ転送しようと思いますが、かまいませんか?』
私はこう返します。
『構いません。日本の会社の取締役からの命令は逆らえませんから、そのまま転送してくださって結構です。無錫総経理のお立場も十分、理解してますから、私の事は気にしないでください。』
すると彼は念を押します。
『あなたの中国での立場が悪くなります!会社がどのような圧力をかけてくるか解りません!(その時私は『あなたを守ってあげられないかも知れないですよ!』の意)』
私はこう返しました。『それでも、メールの文面を変える訳には参りません。どうぞ私の事は気にせずに・・・。』
『中国だけならいざ知らず、恐らく董事長と筆頭総経理は日本の本社にトマがこんなこと言っているぞ!とあなたのメールを転送するでしょう。日本での立場も悪くなりませんか?(最後通牒です)』
私は最後に返事を返します。
『大丈夫です。私は糾弾されるようなことはしていません。仮にもし、日本での立場も悪くなるとしたら(クビになる等)それは私が悪いのであって、仕方のない事です。無錫総経理には責任のある事ではありません。お心遣い感謝します。』
『解りました。』
と電話が終わります。
その後、彼からメールが来ます。
『トマさんあなたの気持ちは痛いほど解ります。あなたの考えを私は理解します。どうぞ、なるべく早く、あなたのアイディアを実現して、圧力がかかる前に次のステップへ進まれる事を望みます。』
もうこれ全部中国語だったんだけど、ワシ泣きそうになったワイ!
普通、日本人なんて、中国人から見たら、鼻クソほどの価値もないので、見捨ててOKなのよ!それを2度も、『お前の立場大丈夫か?』とわざわざ警告してくれる。最後に頑張れと。あなたの味方であると。これほど嬉しい事があろうか!
中国で4年以上仕事をしてきたが、やっと本物の仲間を得られた気分に歓喜している。
今年8月からは5年目突入。
確かに窮地に追い込まれようとしているが、策はまだある!
彼もどうやらそれに気が付いているらしい。
企業秘密なので言えませんが、一撃必殺、一発逆転の裏技というか、まあ会社の規定を逆手に取った超必殺技というか。普通考えつかない正攻法です(笑)そもそもその規定作ったの俺だし(笑)一番そのルール詳しいの俺だし!(笑)そりゃ詳しいわな(大笑)
相手は会社そのものと言える取締役ですが、面と向かってルールブックをちゃぶ台返しは敷居が高いハズです。加えて、その当該取締役からはホットラインで直電して良いと、権限を頂いてあります。いざとなったら、直に説得するつもりです。
その場合、課長、部長、本部長を飛び越えていきなり取締役と戦う事になる訳ですが、もちろん失敗すればクビを掛ける事になるかもしれません。そんときゃそん時です(笑)
なに、独身ですから、大したクビじゃあございません(笑)
失うものが無いのは実にいい。
信用のおける外国人の友人が初めて出来た思えた事より、価値のある事ではありません。そして、根本的にMなのか、こういうピンチは大好物です(笑)我が師匠より、頂いたロマン・ロランの至言に『常に断崖絶壁の淵を歩いてきた者にとって、絶体絶命の窮地も、もはや日常茶飯の出来事に過ぎない。』とあります。
思えば、26歳の時に過労で死にかけてから、似たような窮地は何度かありました。
つど乗り越えてきた私に取って、この程度のピンチはまだまだ余裕です。
むしろ、我が策、どこまで通じるか試す絶好の機会なので、とことん戦う気概でいっぱいです。惜しむらくはクビになると、日本に帰らなくては行けないな~という残念感がある位ですね。
細工は流々。仕上げを御覧じろ。