トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

介護の孤独と勝手な孤独。

筆者がイギリスで出会った80歳の男性はたった1人で、病気で体の不自由な妻を介護していた。「逃げ場がない」と絶望していた彼を救ったのは、「孤独対策」の一環として民間のNGOなどが進めているコミュニティ活動。彼はそこで仲間と出会い、生きがいを取り戻した。

イギリスで多くの孤独な人たち、その問題を解決しようと奔走する人々に会い、取り組みを取材した中で、印象に残った言葉がある。「孤独は何らかの『喪失』がトリガー(きっかけ)になることが多い」というものだ。高齢者支援団体の責任者の考察で、彼女曰く、「離婚や死別、退職といった『喪失』のダメージは女性より、男性のほうがはるかに受けやすい」という。

ともに歌を、音楽を愛した「かつての妻」の喪失、その妻との「コミュニケーション」の喪失、自らの健康の喪失、多くの喪失を経験した小室さんの心の中に埋めがたい孤独感が生まれていたのかもしれない。メイ首相のいう「話す人がいない、考えや日々の出来事を共有する相手がいない人たち」の絶望的な孤独感は実際に体験したものでなければわからないだろう。

イギリスでは、その「孤独」を個人の問題として片づけ、1人で耐え忍ぶものではないという考え方がある。ゆえに、孤独という「骨をそぐような痛み」に社会全体で向き合い、軽減し、解決していこうという試みが続けられてきた。担当大臣の誕生は決して、短兵急なものではなく、その努力の一過程に過ぎない。

 

 

週刊東洋経済記事より。

 

こういう所がイギリスの良い所。流石民主主義発祥の地だけの事はある。

 

小室哲哉の不倫騒動で、自分の妻の介護で、妻が高次機能障害になっていたため介護疲れで不倫したというのを散々マスコミも一般大衆も叩いた訳だが。

 

実際、以前愛していた妻の姿ではなくなってしまった障害を持った妻をコミュニケーションも取れない中、解ってもらえない、解っているのかどうかも分からない中、介護し続けるのは相当なストレスだ。

 

子供や、自身の病気などが負担として重なれば直の事だ。

 

そんな未来が来るなんて、予想できんもんね普通。

 

だから、ボッチ戦略が人生、生き残りだけを考えたら最強の戦略だよ。一人なら大抵のリスクはコントロールできる。ただし、ある程度の金が有ればと注釈は入るが。

 

子供でも親でも、妻でも何でもいいが、たった一人介護認定レベルになっただけで、簡単に人生設計は崩れる。試算してみ、どんだけ人工と経費が掛かるか。

 

突発の入院で、障害を持った場合、その障害の度合いで一人部屋になった時の入院費が一日いくらになると思う?

 

5~15万円です。病院にも寄るけど。部屋代は保険効かないよ?

 

ちなみに大部屋で3~5万円。

 

しつこいけど、これ一日分の料金だからね。

 

これは差額ベット代という病院が独自に決めている4人以上の患者が入院する部屋と個室の患者が入る部屋について使用料を取っている制度。これには保険が利かないから、最近入院一日に対して一万五千円位の保証が受けられる保険を売っている。

 

でもね。

 

厚生労働省調べの差額ベット代の代表値見たことある?

 

平成27年、7月1日現在。

・平均値6,155円

・最高値37,8000円

・最低値50円

 

ちなみに保険屋が設定した一万五千円の補償額は当然この平均値を元に試算した値な。

 

どんだけ病院のお手盛りか分かるでしょ?

 

で、急変しない程度に回復したら、自宅療養になる訳ですが、保険が利かないこんだけの金を払って、挙句、愛した妻が言葉も通じない状況に追い込まれながら、夫婦だっていう証明の婚姻届けに基づく、契約の為に自分の人生、仕事、ありとあらゆる24時間プライベートを掛けて、世話をしなきゃいけなくなる訳。

 

そこには一切の愚痴は許されない。だって夫婦だから。

 

これが日本の介護地獄の正体だ。

 

その点を個人の問題として自己責任にしてしまっては看過できないと判断して、政治的対応をしたイギリスは流石だという話。

 

小さな政府を施行し、自己責任論が一般的に定着しているイギリスでそうなっているから私は驚いた。小泉元首相の小さな政府、自己責任論は元々ここが起点になっている。

 

小室哲哉が行った不倫は当然許される事ではないし、そこを擁護する気はさらさらないけれど、そうならざるを得なかった部分が有るほど追い込まれていた事は理解したい。

 

想像してみてくれ、ある日突然愛する妻が、言葉を交わす事も出来ず、それを必死に愛そうと介護をしても、感謝の言葉ももらえず、叱責される毎日だったら。

 

普通の神経じゃおかしくなるわ。

 

介護認定状態になったら、離婚するって取り決めておく必要がある位、深刻な問題だと思うよ。

 

武士の心得を本にまとめた名著、『葉隠』でも読んで少し、今の日本人は『臨終只今』の心持を学んだ方が良いのかもしれないな。

 

あ、ちなみに葉隠では『武士は死ぬことと見つけたり』と書いてある。凜住只今はあくまでも仏教の経典の話。