トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

アップルの牙城は守り切れるのか?

米アップルがサービス事業にカジを切る。25日、スティーブン・スピルバーグ監督ら著名人を招いたイベントで、ネット動画やニュース配信など新サービスを矢継ぎ早に打ち出した。華やかな発表の影には、スマートフォンスマホ)「iPhone」など一世を風靡した製品群の失速に対する焦りもある。世界で14億台が稼働するアップル製品の牙城を守るため、端末を使い続けたいと思わせるサービスの拡充に総力戦で臨む。

 

 

日経新聞記事より。

 

何日か前に全世界にトップニュースに近い扱いで流れたこの配信事業のお話。

 

IT業界は端末のコモディ―化が避けられないため、まだ余裕の有る内に収益を上げられる別業態を構築するという事らしい。

 

なるほど、iPhoneは今、中国でも人気が落ちてきている。中国資本のOPPPOやファーウェイ、シャオミー、ホン三―なんかが売れている。端末の使い方も所謂十分なスマホで中国人が気に入りそうな自撮りのデコレーション機能が充実しているスマホが数多くラインナップされている。

 

中国の場合、中国のLINEと言われている微信(ウェイシン、ウィーチャット)が使えればどの携帯電話、スマートフォンでも別に構わないのだ。

 

決済機能も、検索機能も、ブログや、電話、音声通信、SNS機能まで網羅しているアプリが使えれば後はどれでもいいのだ。微信にはそのアプリに紐付けて、映画館の座席予約をしたり、出前を頼んだりといろんな広がりを見せるアプリが存在する。

 

それらの使いやすさ、利便性が中国では中国政府の性で規制されている訳で、グーグルやフェイスブックが使えないみたいに。それぞれ対応する別の検索エンジンなどがある例えばバイドゥ百度)とか、ウェイボーなんかのSNSサービスがそうだ。

 

端末のコモディ―化よりも、ソフトウエアのコモディ―化の方が激しいのは周知の事実。サービスとして広がってゆく以上、使ってみて似たような機能を作ってしまえばいい訳で。機械なら、見ただけでまねるのは製造を介在するが故に難しい部分もあるだろうが、ソフトウエアはそうはいかない。見て真似ることが出来る事の場合が多い。

 

中国のような政府主導で如何様にも規制がコントロールできる国が世界の五分の一の人口を抱えているのだ。自国オンリーの市場として、国民を使える強みがある以上、ソフトでの競争は外国勢の負けが見えてる。

 

だから、アップルはコンテンツで商売を仕掛けて行く訳だが、これも期待するほどの効果が果たして全世界で得られるだろうか?アップルでなくてもAmazonが同じようなサービスを提供しているし、Amazonは中国ではだいぶ規制されているので、京東(ジンドン)、アリババなんかが主流。

 

それこそ米国発のネットフリックスとかが競争相手になってしまうだろう。

 

イノベーションの先鋒を切っていたアップルもここへ来て、創業者ジョブズの威光も薄れたとみるべきだろう。

 

なので、日本にはソフトでもコンテンツでも勝負してはもらいたくない。負けが見えてるから。正直日本のIT教育はインドに比べたら100年は遅れてる。勝てるとすれば今から大きくIT人材育成に舵を切ったとして100年以上先の話だ。日銭を稼がにゃいかんから、時間が無い。並行してやるなら、達成までに時間がかかる。

 

そこで、やっぱりコモディ―化が難しいリアル世界の実物製品でまず勝って欲しい。技術の積み上げがそのままリードにつながる分野なら、日本を超える技術力を誇る国は多分永遠に出てこない。

 

中国がIT覇権を狙うのはそれが簡単だからだ。自国民を市場として囲い込める絶対的優位性をもっているから。ソフトはコピーだってできる。新しく似たものを作るのも製造品ほど難しくない。

 

だから、アメリカがあれだけ警戒しているのだ。

 

その辺の商売っ気が、日本人は希薄すぎるので、アメリカさんの御勘気が理解できないのだ。

 

で、結論。自由市場のアメリカと、囲い込みが完了している自国民を実験台に使える中国とでは何やっても勝負にならんと私は思う。