今回のグーグルマップ騒動、裏を返せば、ゼンリンの”存在感”を改めて見せつけたとも言える。1000人もの調査員を動員し、全国をくまなく調査するゼンリンは、地図作成のノウハウの固まり。もともとゼンリンからすれば、収益性の高い他のBtoBビジネスが拡大しており、グーグル依存度は高くない。
不具合のあった3月、ゼンリンは米マップボックスに地図情報を提供することが明らかになっており、グーグル以外にもいわば”保険”をかけた格好だ。さらに先を見通せば、グーグルのような無料広告モデル(グーグルはゼンリンに利用料を支払い)と今後一線を画し、ゼンリンにとって、付加価値の高い地図は「有料」というビジネスモデルを取り戻す、いい契機になるのかもしれない。
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週刊東洋経済記事より。
この記事は本業をしっかり収益性の高いものに維持する(メンテナンス)する大事さと、変わり身の早いビジネスパートナーとの関係はズブズブにならないようにするという当たり前の危機管理を賢く行った好例だと思う。
グーグルに風が吹いているから、商売相手にはしたものの、きっとゼンリンは最初から、信用してなかったと思う。そもそも無料で提供されるサービスに金が流れるビジネススタイルは先鋭的では確かにあるが、金払うお客の顔が見えない分、売り手側の会社が融通が利くというか、無理を協力会社に言いやすい会社だってことだ。
きっと、グーグルが言ってきた事が、ゼンリンにとって無茶だったんだろう。でも、ゼンリンはグーグルを必要以上に信用も信頼もしてなかった。
しっかり、収益が確保できている間に他の儲け先を見つけることに成功したこと。
これが大きい。
見つかる前に切られていたら、きっと非道なグーグル的な話を経済紙がこぞって、記事に書いていた事だろう(笑)、ゼンリンは確かにしぶとい(笑)大したものだ。
他の業界でも、当世風を追いかける事だけではなく、古風なものを見直してメンテナンスして置く事が同じように大事だと思う。