トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

元横綱武蔵丸が語る子弟の道。

「親御さんたちから大事な子どもを預かっているわけだから、簡単に諦めさせるわけにはいかないよね。辞めたいと言いにきたら、まずは止めて、きちんと話を聞く。……だけど、だいたい悩み事を抱えてるな、様子がおかしいなっていうのは、わざわざ言いにこなくたってこっちはとっくにわかってるんだよ。何しろ俺は毎日同じところから稽古を見てるんだからね」

生活のすべては、相撲が強くなることに通じている。だからこそ、相撲を通して、生活が見える。毎日、定位置から稽古中の弟子たちを見守る親方。逃げも隠れもできない真っ平らな土俵の上で、若き弟子たちが親方の鋭い目を欺くことはできない。悩みも、苦しみも、すべてお見通しなのだ。

……それにしたって、実の親でさえわが子を日々、これほど長時間観察し続けることは容易ではないだろう。思わずそう漏らすと、親方はにやりと笑って言った。

「だから、さっきから言ってるでしょ。生活のすべては、相撲が強くなることにつながってるの。観察だってそう。相撲で勝つためには、目の前の相手をよく見て、今日は調子がいいのか悪いのか、見極めるしかない。俺が今やってることだって結局は全部、俺自身が、相撲を通じて学んできたことだよ」

 

 

週刊東洋経済記事より。

 

武蔵川部屋のちゃんこはとても美味しいのだそうだ(笑)

 

弟子が作るのがほとんどだが、各弟子の郷土料理を必ず一つ作れるように指導するお陰で、かなりバラエティー豊かな料理になるらしい。

 

武蔵川親方曰く、自分の頃は味は二の次で食べられれば良かったという状態だったが、それだとやる気もでないでしょう?美味しくないとだべられないでしょう?という事で、自分の部屋ではそうしているとの事。

 

実の親よりも、稽古を生活を通じて長時間弟子を見る親方は親代わりでありながら、親以上に愛情を注ぎ、強くなるために厳しくも暖かに指導している。

 

勝負の世界であるがゆえに、強さが第一なのは疑いない。でも、それだけでは脆い。横綱に心技体が一定以上そろっていてもなかなか成れないのは、その部分ではなかろうか。最近の横綱は外国人力士が多い。でも、その外国人力士の結果はどうか?

 

確かに戦歴だけ見れば強いのだろう。でも、賭博疑惑、暴力などで、各界から追い出されるように居なくなる元横綱もいる。心技体が、なぜ心が先なのか?実は相撲の最高位は大関ってしってました?

 

横綱は神の前に立つことが出来る力士以上の存在なんです。そもそも相撲は神事ですから。だから、心が備わっていないとならない。一定の戦績が横綱昇進の条件にはなっても、わざわざ横綱審議員会なんて権威づいた面倒くさい組織があるのも、神事である相撲の特別な存在横綱の神聖を保つため。

 

そういう意味で、武蔵川親方は日本人ではないのに凄いところまで磨き上げてきたなと思った。

 

武蔵川親方は子弟の道をしっかり持っているからこそ、そういう心が備わった指導が出来るのだと思う。その弟子たちが、強くならない訳が無い。今にきっと、親方を超える大横綱武蔵川部屋から出てくると私は確信する。