トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

労働生産性の正しい理解は?

生産性の概念のうち、企業の方々がよく使うのが「労働生産性」だ。これは労働者1人1時間当たりにどれだけの付加価値が生み出されたかという数字。分子にあたる付加価値は、日本経済全体の場合にはGDP国内総生産)、企業の場合には売上高から原材料や光熱費を差し引いた数字、ざっくりいえば粗利になる。

ところが、企業では多くの人が「稼ぐ力」が生産性で、「儲かること」「企業収益が増えること」が生産性上昇だと思っている。しかし、企業収益は日本全体のGDPの2割ぐらいで、実際は雇用者報酬のほうがずっと多い。賃金を抑制して利益率を高めても、生産性が上がることにはならない。

それから、労働者1人当たりで見て、生産性が高い/低いという議論もよく聞くが、これはミスリードになる。毎月勤労統計のデータの間違いが国会で問題になったとき、「賃金が上がっていない」という場合の「賃金」は現金給与総額から物価の影響を控除したもので議論された。しかし、実質賃金が上がっているか、下がっているかは時間当たりで見るべき。同様に、生産性も時間当たりで測るべきものだ。8時間働いて2万円稼ぐ人は、12時間働いて2万円稼ぐ人よりも賃金や生産性が高い。

 

 

週刊東洋経済記事より。

 

日本では本当にこの「労働生産性」についての誤解がひどい。

 

経営陣でもちゃんと理解している人はごく少数なのではなかろうか?

 

ここを間違えていると、引っ張る方向性がそもそも間違っているので偉い遠回りをした挙句に儲からないという悲惨な状態になる。

 

海外の会社の凄い所はこういうお金に関係するところは本当に厳しく管理されているというところ。それこそ、一円違う効率差には目くじら立てて怒り出すレベル。そもそも企業は収益を生むのが優先課題なのだから、当たり前と言えば当たり前な話。

 

日本は情緒的というか、感情優先な企業体質な事もあり、その弱点として、こういうシステマチックな経営視点になれてない部分が多いし、その都合で誤解も多い。

 

まずは、日本の企業体質を改めるために、金に対する向き合い方を企業経営者が根本的に変えてほしい。そもそも、日本企業は海外の企業から見たら、技術や品質は一流でも、給与待遇は二流。経営陣は三流だと思われている。これはここ10年単位で全く変わっていない日本企業への評価だ。

 

前にも日記に書いたが、こと、経営に関しては中国人経営者の方が、日本人よりもよっぽど優秀だ。しかも、社員への還元もしっかりする。ただし、企業が儲かっている間はという枕詞が付くけれど。