菅首相がここまで踏み込むのは、地銀を取り巻く環境が劇的に変化し、存在意義さえ失いかけているにもかかわらず危機意識が薄いことに、いら立っていたからだ。
長引く超低金利政策で、貸出金利は大幅に低下。地域経済の縮小も相まって本業だけでは生きていけず、今後、赤字の地銀が増えるのは必至だ。そうしたタイミングで新型コロナウイルスが発生。感染拡大で企業業績の悪化は著しく、貸し倒れに備えた引当金など与信コストは増加傾向にある。おのずと地銀の健全性も劣化していく。
しかも、過去に注入された公的資金の優先株がすべて普通株に強制転換される「一斉転換」が2024年に迫っている地銀も少なくなく、返済できなければ実質的に国有化される危険性が高まっている。
にもかかわらず、地銀は変わろうとしない。第二地銀こそ減っているものの、第一地銀に関してはこの40年間、63〜64行のまま。長きにわたって金融当局が再編を呼びかけてきたのにだ。こうした状況に菅首相がしびれを切らし、〝爆弾〟を投じたというわけだ。
かつて、これだけ明確に地銀の再編について言及した首相はいなかった。それだけに、インパクトはすさまじいものがある。追い込まれた地銀に残された時間は少ない。
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週刊東洋経済記事より。
菅首相が地銀再編を望んでいるのは判ったが、それが叶うとどんな良い事が有って、もしくは地銀の数が多いと何がダメだから、こうしたいというのがイマイチ良くわからない。菅首相が苛立つということは何か不味い事が有る訳だろうし、それが何なのかが解らないとどちらに義があるのかも良く解らない。
こういった再編話は今後、コロナ過の世の中が進むにつれて、銀行だけでなくいろいろな業種、業界に起こり得る事では無いかと思う。