トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

やっとここまで…。

私が駐在している会社は総勢300人クラスの中国の中小企業ですが、基本的に大きい会社ばっかりの中国ではそれこそ何千社もあるどこにでもある会社です。技術顧問として駐在している訳ですが、専門は品質管理。日本人の数が限られてますから技術開発から生産管理まで現場仕事は全て携わります。


当然、中国の会社にも品質管理部署は存在し、そこへアドバイスや援助を行うのも主な業務になります。日本本社の技術を売って商売しているので、そこには明確な上下関係が存在しますが、それ以上に『反日感情』が根強くあります。所詮、技術が高いから仕方なく日本人に従っているだけ。というのが基本です。これが、ただ中国子会社で全部日本人のやり方で徹頭徹尾、通せるなら問題ないのですが悲しいかな合弁会社な訳で、複数のステークスホルダーに配慮し、日本人技術顧問だからと言って横暴な真似は出来ません。ましてや先に言いました通り反日感情があるので要らぬ誤解を招く元になります。


赴任して2年。もう実質3年目突入ですが、今回、品質管理部門の中国人事務所に自分のトマの席を作ってもらえる事になりました。それも『是非アドバイスを頂きたいので一緒に仕事させて下さい。』との言葉と共に。


全文中国語のお誘いメールだったので一瞬、何のことだか解りませんでしたが、良く読んでみると『我々はあなたを歓迎します!早く我々の部署へ来てください。必要なものがあれば全てそろえます。遠慮なく言ってください。我々はあなたと仕事が出来て嬉しいです。どんどんアドバイスして下さい。』との意味でした。


こっちはどんどん仕事を身につけたらさっさと転職して収入を増やす世界ですからもちろん招聘文にはある種の『野心』が存在します。ここが根本的に日本人と中国人の違いです。彼らは心意気では動きません。その殆どの場合が利害で動きます。もちろん『義侠』の文化がある国ですから中には『義侠心』で動く好漢もいます。でも中国で『義侠小説』が人気が有り『金庸』氏などの小説家が人気になるのはそれが珍しく、憧れがあるからです。逆に言えばそんなもので飯は食えないと考えるひとも大勢要るという事です。


そこは流石に中国で2年も暮らしたので私もしたたかになりました。


私もこちらの会社から吸収すべきものを積極的に収集、分析するには『現場』に入るのが手っ取り早い。幸い、この品質管理部署はトップが交代したばかりでいまはガードが甘い。入り込むには絶好の機会です。


前のトップは技術開発部へ移動になったので今までガードが固かった技術部へも入るチャンスです。いずれにしても現場のメンバーと仲良く切磋琢磨する活動を粘り強く続けてきた結果がやっと出てきたと思われます。


これからが中国語を勉強してきた本領発揮です。技術開発、品質管理、生産管理、生産、そして総務人事。これで会社に必要な全ての部署へアクセスし、実業を実地で学び取る機会に完全に恵まれました。


更にラッキーな事に駐在者が刷新され私以外は本国復帰。新人と入れ替えです。彼らは中国はおろか海外赴任経験も無い若手です。もう有る意味自分の好きなように仕事に没頭できます。


今年は新年度に突入と共に飛躍的に仕事を伸ばす時期に突入したと思います。本当は自分の構想では昨年そのチャンスをものにするつもりでしたが、一年先延ばしになってしまいました。遅れを取り戻して、更に巻き返す為に今出来る事をガッチリやって参るつもりです。