トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

中国遠征2

中国は物価が安い。そんなん知ってるわい!と言うなかれ。このたった5年でその平均物価がぐぐっと上がっている。我が社が中国進出して当初は中国の物価は日本の1/10程度。しばらくして1/9なんていわれていた。今は飛ぶ鳥落とす勢いのファーストリテーリングが中国進出を本格化したような中国黎明期の話だ。それからたった10数年でいまは1/4の物価差しかない。倍速で経済成長をつづける国。それが中国なのだろう。中国人は本当に信用ならん人種だ!なんて日本では言われている。でも戦後奇跡的な復興をとげた日本はどうだったろうか?同じこと当時の世界から言われていたのでは?

中国人を手放しで褒める気も信用する気もさらさら無いが、私が注視しているのは中国は日本にとって『恩人』だってことだ。そもそも日本は古来から、中国の進んだ文化を取り入れてきた。それこそ遣隋使、遣唐使の頃は命がけで中国へ渡りその文明を必死で学んだんだ。たまたま産業化の進歩がここ50年くらい中国を追い抜いただけで歴史の長さと恩義から言ったらまだ恩返しが十分とはいえないだろう。後世の日本人としてその部分は中国に感謝し、恩返しをするつもりで仕事に励もうと考えている。

日本が誇る技術と品質、そして改善力を中国の文化として根付くように歴史としてリレーできる体制を作って参りたい。どこぞの外国のたとえ話でこういうのがある。あるとうもろこし農家で名人と言われる人がいた。どうしてそんな高品質のとうもろこしが作れるのかとの問い掛けに私は自分の畑で取れたとうもろこしの種を隣同士の農家にも分けているという。とうもろこしは風によって受粉する。回りの畑の品質が落ちれば当然風に乗って自分の畑のとうもろこしも品質の悪い者が出来てしまう。というのだ。技術を盗まれるとか追いつかれたらどうとかそんなレベルの低い事言わずに、教えるべき思想は伝授し、それを身につけた彼らが更に上を行く物を作るなら更にその上を行く物を創造すればいい話。私は日本人として絶対に真似したから抜かれました程度の技術を残さない。真似して伸びた彼らを更に遥か上を行き『やはり日本は、日本人は半端ね〜!』と言わせて帰国したいと思っている。

それが、遥か昔、恩義を受けた中国への恩返しになると確信している。