我輩の彼女は馬鹿である。世間一般で言う『馬鹿』である。一応、化学系ブランド大学を卒業し真っ当に正社員として働いているがまあ馬鹿である。お受験レベルはそこそこ高く、カタログスペックはそこそこだがまあ現実の実務は馬鹿全開である。
ここまでけなしておいてなんなんですが、我輩は彼女を尊敬している。彼女は我輩の基準で計れば非常に聡明で頭の回転が良く、我輩のまったくもって持ち合わせていない整理整頓清掃レベルを保持する優秀な人材である。
彼女は世間でまあまあな恋愛を経験し、過去に何人かの彼氏もいた訳ですが。その結論はこうだ。
１．結婚願望は無い。
２．独占欲が無いから彼氏は放置。
３．振られたことが無いから、いつも自分が彼氏を乗り換える派。
４．子供が嫌いだから子供要らない派。
５．自分は浮気をするから彼の浮気も容認。
６．ＳＥＸは基本嫌いだからさせない人。
５番以外が私と付き合うようになって変わってしまったらしい。どう変わったか？こんな感じ。
１．結婚したい。（我輩の子供が欲しいから）
２．独占欲が芽生えた。他の女と必要以上に仲良くするな！（乗り換えられるとたまったもんじゃないから）
３．乗り換える気が無くなった。むしろ捨てられたくない。
４．是非子供は欲しい。子供が欲しいから最悪デキ婚も有り。
５．彼の浮気は容認しているが出来ればして欲しくない。自分はもうしないらしい。
６．以前はさせない派だったが今は嫌いではなくなった。（別段好きではない。）
そして最近非常に子供に興味があるらしい。赴任が終わって日本へ帰ったら結婚しなくてもいいから『種』よこせ。だそうだ。私は畜産の『牛』とか『豚』か？まあいいんだけど。種扱いされるとは思わなかったので不覚にも言われて笑ってしまった。
彼女は聡明で頭の回転がよく整理整頓清掃能力に秀でた逸材だ。天然だけど･･･。彼女は最悪自分一人でも子育てするシュミレーションをしていた。私が活動に忙しいからそのくらいの覚悟は決めたのだそうだ。まったく大した覚悟だ。我輩より１０歳も年下の小娘なのに。だから約束してあげた。３年経って日本に帰ったら『種』あげるよ。
『わーい！』
とうとう今日、我輩は種豚になったらしい。
