(日経新聞記事抜粋)
「古い日銀をぶっ壊す」と宣言したのと同じだった。3月21日、東京・日本橋本石町の日銀本店。総裁に着任して早々、黒田東彦(68)は「日銀は物価の安定という主たる使命を果たしてこなかった。こんな中央銀行は日銀だけだ」と訓示し、職員らは凍りついた。直後には企画局長の内田真一(50)らを総裁室に呼び、こう告げた。「2年で2%の物価上昇率は達成できる。まず職員自身が信じろ。政策を総動員してほしい」
黒田は財務官時代から日銀を公然と批判してきた。英国留学で経済学を修めたが、東大法学部の在学中に司法試験に合格した法律家の顔も持つ。日銀法は理念に「物価の安定」を掲げる。長引くデフレに「日銀は法律違反」との信念は固い。
「新体制の評価は出足で決まる。最初の1カ月がすべてだ」。就任前、黒田は腹を固めた。勝手の知らぬ組織での最初の関門は、正副総裁のもとで政策をお膳立てする「チーム黒田」の結成。周到に布石は打っていた。
(記事抜粋終わり)
日銀は変ろうとしている。これが成功するのかどうかは今後の戦い次第だが、長の一念は既に決まっているのだろう。全然立場は違うが、彼の戦いに私は期待したい。