トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

また出たホワイトカラーエグゼンプション

小説家冷泉彰彦さんのWeb記事によると↓(日経Webより抜粋)



第一次安倍内閣の際に廃案になった「ホワイトカラー・エグゼンプション」が、今度は「残業手当ゼロ化」とでも言うべき拡大案として、再び検討されているようです。今回は、管理職一歩手前の年収1000万円超クラスに加えて、労使協定を行えば全社員にも適用可(その場合は時間の上限規制はあり)というものです。

 この法案に関しては、過労死推進であるとか、日本経済の総ブラック化といった言い方で批判がされているようですが、私はそのような批判では足りないと思います。現在の日本社会で労働時間規制を緩和するということは論外であり、反対に徹底的に強化するべきです。そうではないと、日本経済の衰退を加速する、そのぐらいの問題であると思います。

(中略)

今が、この「仕事のやり方」を変革するラストチャンスであると思います。そのためには「労働時間規制」を厳しくすることで、今までのような「仕事のやり方」を根絶することが必要ではないでしょうか? 何が問題なのでしょう。列挙してみます。

(1)「合議制が極端」
 意思決定を少数で迅速に下す組織になっていません。責任を分散するための「ヨコの合議」と同時に、最先端の知識と情報が現場にしかないので「現場とのタテの合議」が必要です。また企画開発機能と生産機能、販売機能が横並びなので、「機能同士の合議」も、そして外注先も系列化されているので「社外との合議」も必要です。その結果として、会議、そのための検討資料作成などに膨大な労力が必要になるわけです。

(2)「儀式的なイベント」
 合議の場ですらない、儀式的なイベントが多すぎます。朝礼の訓示がどうとか、創立記念行事がどうとか、経営方針発表会議がどうとか、そうした場に「実務クラス」も巻き込む中で、労働効率は悪化します。忘年会や歓送迎会なども、「上が下を慰労する」インセンティブではなく、あくまで上下関係の中での「関係性確認の場」であるために、参加者の多くにはストレス解消になりません。

(3)「決定儀式と非公式な討議の二重構造」
 多くの組織で公式の会議は儀式化しており、本質的な問題点の検討や事実上の意思決定は非公式な討議で決定される二重構造になっています。では、公的な会議の方は形式だけなのかというと、そこで使われるパワポとか配布資料などには膨大な時間と手間がかかるわけで、要するに大変に非効率なわけです。

(4)「対面型コミュニケーション」
 合議の際の「重要な局面」、「下から上への報告」、「問題が発生した際」には対面型コミュニケーションが原則になっています。また "B to B" のビジネスはそのほとんどが今でも対面型の販売が原則になっています。そのために「報告のための本社出張」であるとか「お得意先回り」といった活動に物凄い時間と労力がかかっています。
(5)「電子と紙」
 電子化しても署名捺印した原本の紙を残さなくてはいけないとか、電子署名が普及しておらず、電子化しても一旦印刷してサインしてスキャンするとか、効率化が遅れています。いわゆるコンプライアンスの普及についても「本質的な規範を普及させて深刻なエラーを排除する」のではなく「書類を中心とした形式的な管理」を強化する方向になっているのも問題です。

(6)「日本式と国際標準」
 英語がビジネスの公用語になっていないだけでなく、会計制度、契約の概念、許認可、諸規制、上場基準、情報開示など、何もかもが独自ルールになっています。従って国際的な企業は「日本向け」の対応を余儀なくされ、二度手間、三度手間になってしまいます。

(7)「見える化
 何でも「目で見て」理解する習慣が強いのが日本のビジネスカルチャーです。話を聞いただけで納得することもしないし、言葉だけで人や組織を納得させることができるとも思っていないのです。結果として社内向けにも社外向けにも膨大な書類や、凝ったパワポ資料などが横行して、その作成と修正に膨大な時間がかかるわけです。

(8)「不透明性」
 法律や会計基準、税制、労働法制など社会的なルールに抵触する「スレスレのグレーゾーンで」仕事をする――日本のビジネスカルチャーにはまだまだこうした風土が残っています。そのために決算のたびに「例外対応」や「オモテとウラの使い分け」をしなくてはならないし、あくまで内部で処理しようとすると当然のことながら標準化できない、そうした仕事のやり方がどの業界にもあるわけです。これも長時間労働の大きな要因だと思います。

(中略)

とにかく現在の日本経済は「仕事のやり方」という意味で世界から周回遅れになっています。ここで「イノベーション」ができるかどうかが、これからの日本経済が生き残っていけるかどうかの瀬戸際だと思います。そのためにも、労働時間規制は強化するべきであり、緩和は論外だと考えます。

反論できねー!細かく見れば言い返せるのかもしれないけど『あるある』と頷くことが多すぎる。やっぱり日本はそういうところがだめなのだろうか?