トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

中国ビジネスにおける中国人の考え方

中国でのビジネスで必ず行き当たる事。それは日本人の感覚でいうと『詐欺』とも『騙された』とも取れるような商売を平気でする人の集まりが中国人という事実だ。


彼らはそれが当たり前だと思っており、ワールドビジネスにそれは通じないのだと理解していない。更に『損して得取れ』的な発送は全く無い。『何で損をしなきゃいけないんだ?』と本気で理解できていない。


それらがはっきり認識できる良記事を発見したので今日はそれを紹介したい。

(以下記事全文)

「リスクを取るのは投資家の責任ですから」
日本をはじめ海外から来ていた投資家のメンバーはみな呆然となった。大勢の投資家
を集めた中国不動産開発案件に関して中国の事業主は、投資案件のリスクについて自
分たちの側には全く責任はないと言い放ったからである。

「中国の可能性、そして私がこれまで事業を成功させてきた実績を買ってください」
こんな宣言から始まった投資説明会。説明をしているのは35歳ぐらいの中国人の若き
不動産開発の事業家である。会場は熱気にあふれ、集まった投資家も真剣に事業家の
話に聞き入っていた。彼の強気な説明に投資家はどんどん惹きつけられていく。

案件の投資規模は約10億円。この事業資金は自己資金とパートナーで折半、不動産開
発に投資し、物件の販売総額は約25億円という。物件は共産党幹部をはじめとする顧
客を想定した高級物件で、10棟分の家を建設する。投資家は5億円分を投資し1年半後
に元本と利益で12億円が返済されるしくみだ。なんと利益は7億円で140%以上の高い
リターンが見込めることになる。

「すでに計画段階で3棟の購入申し込みが入っています」
力強い中国事業家の説明に「おお…」と会場がどよめく。物件の紙模型や内装説明の
パーツもたいそう立派で、私もこんな家なら住んでみたいと思わせるほど魅力的だ。
集まっていた投資家も皆きっとそう思っていたに違いない。これぞ「チャイニーズ・
ドリーム」だと。

説明が一通り終わったところで、投資家から矢継ぎ早に質問が始まった。
「3棟売れたということは、すでに数億円は資金が回収されたということですか」
事業主は5億円を負担するとのことですが、すでに5億円は手当てできているのです
か」

中国人事業家が答える。
資金はこれから回収します。物件を作り始めて頭金を半金、物件引渡し時に残金を
回収します」
事業資金はまだ1億円しか手当てしていません。これから自己資金を集める予定で
す」
ここからは、投資家からの質問で会場は大荒れに。計画は立派だが、具体的にはこれ
からという状況。事業資金はこれから集めるのでまだ集まっていないらしい。しかも、
このような大規模な開発案件を手がけるのは初めてなのだという。

投資家からの質問はさらに鋭さを増していく。
「自己資金を銀行から借りるとか、個人保証をするとか、どのように手当てをするの
かも考えていないのですか」
「投資するにはリスクが高すぎるようですが」

矢継ぎ早の質問に、ついに中国人事業家がブチ切れた。
「リスクを取るのは投資家の責任ですから」

ほとんどの投資家はこの段階で席を立ち去って行った。中国人の事業家は、何が悪か
ったのか全くわからない様子。多くの外国人投資家に馬鹿にされたと思ったのか、中
国人事業家も腹立たしさを隠し切れない…

以上は、最近あった投資案件の説明会での出来事である。これに限らず、同様の説明
会が中国では頻繁に開かれている。中国では銀行が民間、特にベンチャーに積極的に
資金供給をしない。事業資金を供給するのは、国内外の投資会社の仕事と考えている
ようだ。中国人事業家の中でも「融資」と「投資」について違いが分からない人が多
い。中国語の通訳も「融資」と「投資」をゴチャゴチャにしている人が少なくない。

確かに中国国内には多くの投資案件があり、常に資金は不足している状態である。
「金さえあれば儲かる」という話がゴロゴロしている。特に今は中国内陸の開発が活
況で、この地域の投資案件が激増している。海外投資家も中国沿岸部では人件費も高
騰し現地企業が利益を出しにくいと判断、中国内陸への投資のシフトが起こっている。

しかし、中国内陸には海外投資家と初めて接触する事業家が多いのも事実だ。彼らの
中には、グローバルな取引の常識や金融に関する知識をほとんど持ち合わせていない
ものもいる。このような人たちはつい「金を持っているのは外国人投資家で、自分
(中国人事業家)の事業で儲ければ苦労をせずに利益が得られる。だから事業のリス
クを背負うのは投資家の方だ」と考えがちだ。彼らは、「この地域(中国内陸)は、
何をしても今よりは成長する。だから、投資して失敗するなど考えられない」とも思
っている。自信過剰というより、「失敗の経験」がないのである。

そして、中国では事業をする場合、双方は「フィフティ・フィフティ」でなくてはな
らないという発想が強い。しかし、投資家と事業家の関係は「フィフティ・フィフティ
にはなっていない」と考えている。事業家は苦労して事業を成功させなくてはならな
い。一方、投資家は、金だけ出して何もしない。利益も資本構成の投資分だけ持って
行ってしまう。最初から投資家はずるい存在と感じているようだ。だから、せめて成
否に関するリスクくらいは投資家が全面的に負うべきだと考えるのだろう。

日本の事業家と組む場合はしばしば「資金事業ノウハウの提供」を彼らは要求する。
それを基に、現地での仕事は中国側事業主が行う。そして、仮に現地の事業が失敗し
てもそれは「フィフティ・フィフティ」だというのである。つまり、双方とも資金
事業を失う。ところが現地の中国事業家は、事業が失敗した場合でも工場や従業員を
新たな会社に移転させ、事業を再開したりする。それは事業主の裁量なのであって、
決してルール違反ではないと彼らは考える。けれどもそれをやられた日本側は「資金
事業ノウハウを提供しながら自分たちは何も得られず、中国側はちゃっかりそれを
別の事業に転用し利益を上げている」と感じる。そして「詐欺だ」「騙された」と騒
ぐ。

どんどん独立して起業するのが中国の現状だ。しかし、中国内陸に行けば行くほど、
初めて外国人投資家や事業家と接触して仕事をする事業家が多い。これは、中国に限
ったことではない。私が最近訪問したモンゴルやミャンマーでも似たようなケースに
遭遇した。彼らには彼らの考え方、習慣があり、ルールがある。いくらそれがグロー
バルなそれと違っていると主張しても、結局泣き寝入りをするのはこちら側というこ
とになる。

重要なことは、交渉相手、パートナーがどのような経済的原理を持って行動している
か、どのように付き合っていくべきか見極めることだ。日本が高度成長期に米国や欧
州に進出した時のように、出て行った先ではまったく違うルールが存在していること
を覚悟しなくてはならない。それがイヤなら、国内に留まるか、相変わらず欧米諸国
とのみ取引をしていた方が無難だろう。成長するアジアでの成功は、そこでのビジネ
スは完全に「アウェイ」のゲームなのだということを強く肝に命じるところから始ま
るのだと思う。

(記事全文終わり)


全くこの通り。ノウハウやアドバイスはしっかり頂きリスクも取って頂き事業が駄目になったら本人は提供されたノウハウを持って他で再起を図る。日本人投資家は呆然とすると言う流れ。これあらゆる事業で形を変えて共通して起こっている現象である。しばらく中国景気は続くのでこの手の問題はまだ続くはずである。