長いデフレ不況のお陰で製造業はどんどん海外へ出て行ってしまい、日本の産業構造が変ってしまった。昨年12月に自民・公明の連立与党が誕生してからデフレ脱却をめざしていろいろ手を打っているがそれが今後どうなっていくのだろうか。
産業構造が転換してしまった以上、円安だからと言って急に日本の製造拠点が回復するとも思えない。今度、1年くらいは円安の流れが持続しそうだが果たして10年の単位ではどうだろう。野生動物と違って人の子が立って自立できるまでには途方も無い時間が掛かる。高卒ルーキーになるまでに最短で18年。大卒なら22年かかる。それまでのランニングコストを考えると今の収入で立派に子育てが可能な収入世帯はいったいどれくらいなのだろうか？
年収300万円と言われて久しいが、現状もっと酷くなっているようにも見受けられる。相変わらず自殺者は毎年3万人近くいる訳で、ついこの間も派遣切りでマツダの元派遣労働者が裁判で戦っていた。署名もかなり集まったようだが、裁判の結果はまだ出ていない。その前のダイキンの訴訟は元派遣社員のグループが敗訴している。
生活保護の現物支給や保護世帯の保護内容の見直しも決まったみたいだ。不正受給は当然許せないが、本当に必要な人が門前払いされてしまうのはもっと問題だ。結局のところ安定した人口推移で国を維持発展させるのが肝ならば、自助努力と国の支援のバランスを考えないといけない。
年収200万円のひとたちに何を後、自助努力しろと言うのか。せめて、自助努力しろというなら、そのチャンスの欠片は国なり地方自治体なり、企業なりの組織が示す事をしないとチャレンジするひとがいなくなる世界が訪れてしまう。
