トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

共産主義の崇高な理念とやらはどこへ行きました?

 中国政府がインターネット空間への統制を強める方針を内外に示した。5日閉幕した政府主催の世界インターネット大会で、ネットに対する管理・統制を「国家主権の問題」として正当化した。今後も最新技術を使い、情報統制を強める。大会は東南アジアやアフリカ諸国の高官らが参加。中国発のデジタル保護主義新興国など世界に拡散する恐れが強まってきた。

 中国政府は3~5日、浙江省烏鎮で4回目となる大会を開催した。習近平(シー・ジンピン)国家主席は大会に寄せた祝辞で「IT(情報技術)を核に新たな産業革命が芽生えつつある」と技術革新を歓迎する姿勢をみせた。その一方で「ネットの発展は各国の主権や安全にとって新たな挑戦だ」と警戒感を示した。 習氏はネットを情報統制の主戦場と位置付け、締め付けを強めている。中国では以前から「グレート・ファイアウオール」(ネットの長城)とも呼ばれる仕組みで、海外のニュースやフェイスブックなど「不都合な情報」が流れ込むサイトを遮断してきた。

さらに2017年6月には統制を強化する「インターネット安全法」を施行している。同法は中国で集めた顧客データの国内保存や、海外に持ち出す際に当局の審査を義務付ける内容。日本の経団連を含む世界の54団体は5月に「世界経済に大きな影響を与える」と延期を求めたが、中国側は聞く耳を持たない。逆に新浪などネット大手を「違法情報」を流したとして処分し、デジタル保護主義への傾注を強める。

 

 

日経新聞記事より。

 

選挙によって選ばれたわけではない中国の国家主席はその正当性を獲得するために色々やるという話は以前、その手の問題を書いた記事とともに紹介した。

 

権力の魔性の恐ろしい所は恐らくこういう所にある。

 

権力とはそもそも国民に尽くす為に振るわれる大きな力だ。それがいつしか、その道具に過ぎない権力に取りつかれ、あたかも自分が万能であるかのように錯覚する。そして、元々国民を守るために与えられている権力を自分自身のものと思い、手放すのが惜しくなる。そして最後に守る対象の国民すら、疎ましくなり管理しようとし始める。

 

ああ、哀れなるかな。

 

土を汚し、育つ草木があろうか?権力の基盤は護るべき国民そのものだと知らぬ愚かさよ。お前の権力はなんだ?金か?軍隊か?富か?栄誉か?どれもこれもすべて中華人民共和国の国民あってのものだ。税金を納め、労働力を提供し、法を順守する国民が国土で生活してくれているから、のほほんとその権力の座に座っていられるのだ。決してお前の力が優れているから、国民が選んでくれたのではない!

 

その共産主義の崇高な理念を忘れ、同士国民を護るべき最高権力者が、国民の知る自由を政権を脅かす要素として管理しようというのだから、情けない。ここに共産主義の捻じ曲がった本性が見え隠れするのだ。

 

周恩来を見よ。その身を捧げた憂国の士が共産主義を支えた。

 

その思いは中国の大地に遍満して、いまだ残るはずなのに、気が付こうともしない。

 

恐るべきは人である権力者にあらず。

 

人を魔物に変える権力の魔性のみが、本当に恐ろしい。

 

民主主義はイギリスの元首相ウィンストン・チャーチルに言わせると「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」との事だが、腐った民主主義でもそれ以上の良い方法が今のところ見当たらないので、まだマシだ。

 

人間が権力の魔性に完全に打ち勝てるならば、共産主義は本当の最高峰だろう。だが、それは無理だ。それこそAIにでも国家元首を任せない限り。だから、腐った民主主義でもまだマシ。少なくも、権力のクビに鈴くらいは着けてやれる。