トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

半年…。

今日で完全に中国赴任から6ヶ月が経過。つまり、半年たった。暮らしてみると住めば都でどうにでもなるものだ。面白いのは日本への一時帰国の度にこっちへもってくる荷物がどんどん少なくなること。あれもある。これもあっちで手に入ると、なんだかんだで金さえあれば大概の物を現地調達できる。だから問題ない。あと、工夫で作り出すなんてことも出来るようになってくる。なのできっと海外への出張や赴任が多い人は荷物が少ないんだろう。最低限必要なものって以外に少ないんだよ生活にはね。

しっかし、この2週間弱はきつかった。一緒に同居している、管理職が女連れ込んで居候させていたからだ。まったく女好きも大概にして欲しい。

しかもその女、手術受けて療養中で感染症予防治療も受けてると言う。感染症予防ってことは感染症予備軍ってことだ。我々赴任生活者二人はあらゆる海外で懸念される感染症の予防注射を実は日本に滞在しているときに受けている。だからまあ一応は安心なのだが、素人は感染症に甘すぎる。特に一緒に生活するリスクを甘く見すぎだ。

一応、卒業論文は『感染症』をあつかったので上っ面の知識は持ち合わせているつもりだが見ていると何が起きても不思議は無い状況で女と一緒にいるその管理職にはほとほと参った。もはやアホである。少なくもバイオ系の学生や医療関係の知識を持つものならありえない事をまあいろいろとやっていた。無知ってのは本当に恐ろしい。自分も他分野の知識人からはおそらく無謀と思われることを日常的にやっているのだろうなと反省した。

お陰で、中国人女性がいかな価値観で行動するのか貴重なサンプルがとれたよ。

いろいろ、中国をたたくネットやその他メディアがるが、その裏づけになるような行動が目立ったね。身分制度のあった国と言うのが大きいのだろうが、まあ一言で言うと『育ちが悪い!』これにも個人差があるようだが概ね高度な教育を受けている者はその振る舞いが一定の基準を満たしているようだ。日本についての反日感情にも差が有る。

やっと居候が出て行ったのはありがたいが被害も多かった。

食いたくも無い中華料理を無理に食わされたのは参ったね。直属ではないが相手は課長だから顔をたてて食べてあげたが、人の包丁や調味料をちゃんと片付けられない『料理人』が作るものはたとえ美味しくても食べたくない。口をつけたくもない。それを食わされる屈辱はこの上ない残酷な感触だ。

料理とは『持て成し』の心だと私は思う。不味い到底食えないものを何とか知恵を絞って食べることが可能なものに作り変える。そこにはその『料理人』の知恵と経験と最後に食べてもらう人への思いやりが入る。結局、食べる人のために腕を奮い、知恵を絞り、気持ちをこめるのだから、一番大事なのは『なんとか持て成そう』という気持ちだ。道具をいい加減に扱う料理人はちゃんと整備した状態の整った道具と調味料で間違いの無い自分で完成できる最高の料理を出そうと言う姿勢にかける。

そんなものは例え美味しかったとしてもその根底の気持ちは『美味けりゃいいじゃん!』的な驕りの心だ。そんなものを口に入れて腹に収めるなんて到底許容できない。吐き気がする。従って、道具をちゃんと使えないこの中国人の居候の料理は死んでも食いたくないレベルなのだ。それを2度も食った。我ながら『大人になった』と思いましたよ。

味は美味しいです。私にはゲロみたいな味ですが。しかも私の作ったものは一切口にしなかった。これも頭にきている。茶道の世界でもちゃんとお手前を返すじゃないですか。受けた恩はそれが『腐った』料理でもしっかり返す。私もそうしました。これが解っていない。まあここは中国と日本の習慣が違うでしょうからあえて目をつむりました。

課長が『トマさんにいつも彼女は気をつかって申し訳無いと思っているようなので、彼女が料理を作った時には是非食べてあげてくれるかな?』と頼んできたので『課長には申し訳ないですが、道具もちゃんと使えない人の料理を口に運ぶ気には到底なれませんのでお断りします。』と最後に申し上げました。それでも2回は食ったのだから賞賛して頂きたいものです。

だれに賛同されるものではないでしょうが、解ってもらおうとも思っていませんが、私個人が少なくも料理する人として心がけているのはそういった姿勢です。

それを、『料理は興味が無い』とか『美味けりゃ良いでしょ?』といって食べる事にまともに目を向けない奴らは、男女問わず大嫌いです。ましてや『食べた後のお片づけは好き〜』なんてのは言語道断。作りもしない料理を片付けるなんてのは大きなお世話。お前になんぞ食器を触って欲しくない!てなもんです。だれとは言いませんが。

食べるのは生き物には重要な行動です。それを加工して『料理』としてここまでの完成度を誇るのは我々人類だけです。万物の霊長などと奢る気はありませんが、その誇りだけは心の底に持っていても別段いいのではないでしょうか。生物系に進んで今は化学屋ですが、根底に生物学を学べたことをこういうおりに思い出して誇りに思っています。

すべての学問を包括してるな〜生物学って。などと浸ってみたりしてます。まあ『生物(ナマモノ)』ですから、時々学説が覆ったりしますけどね(笑)