トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

派遣法改正が仕事に関わってきた件

派遣法が改正になり、同一労働同一賃金や交通費支給、結果的に待遇改善など色々派遣労働者側に働き方として配慮した流れが出来ています。

 

他方、正社員側もしくは派遣労働者を雇用する企業側としては経費の増加が見込まれて大変だ!という事です。

 

私も、同一労働同一賃金は賛成ですが。その場合、会社の中には派遣社員と似た様な仕事しかこなしていないのに年功序列賃金体系に守られて、高給取りになっている正社員がいっぱいいる会社は一気に業績が悪化する可能性を孕みます。

 

でもこれは、本当は正社員が、生み出す価値が、もらっている給与に合っていない事を指しているはずです。『若いころは丁稚奉公なので、会社に安く使われても仕方ない。逆に年齢と経験を重ねた後は労働者側が得するボーナスステージがあるのだから。』という通説がまかり通ってました。

 

でもこれちゃんと考えるとおかしな話ですよね?

 

若かろうが、年や経験を重ねようが、企業は営利団体です。

 

時給の安い人材を派遣だろうが、正社員だろうが、使えばその分の人件費は経費として会社から出て行きます。それに見合った儲けが無ければ赤字転落です。

 

どんなに経験が有ろうと、高い能力を持ったベテランが働いていようと、その仕事に見合った儲けが無ければ同じく赤字転落です。

 

時間の経過は企業の赤字黒字に実は関係ありません。社員がボンクラでも、切れ者でも、儲けは儲け。赤字は赤字。企業の業績結果は社員の成長も、スキルアップも、待ってはくれません。

 

であれば、給料分以上の仕事をしてくれない社員を正社員だろうと、派遣社員だろうと長く雇用する事は会社にとって、利益にはなりません。はっきり言って、不利益。損になります。

 

そして、今、各企業が置かれた競争環境は残念ながら、人情で雇用を頑張れるような環境ではありません。極端に言って、必要最低限の人数で、一人何役もこなせるマルチプレイヤー達を使って利益の最大化を図りたいってのが企業の偽らざる本音でしょう。

 

だから、常に先を見ている大企業は今後、小回りが利かなくなるであろう、40代後半から50代の正社員を原資がある間にリストラし、未来の組織変革に耐えられる土壌を作ろうとしているのだと思います。

 

派遣法改正も、派遣社員が可哀想だから、守ろうという法律ではありません。(恐らく。そうだと予想してます。)そもそもおかしい同一労働同一賃金じゃない、労働価値の不均衡貿易を是正しようという目的だと私は捉えています。

 

その不均衡を無くした上で、増えた経費をペイ(支払う)出来ない企業はそもそも商売の土俵から退場して下さいという行政側の意思表示だと思ってます。

 

で、なんですが。

 

私も一人の管理職として、派遣労働者の方を雇ったり、雇用を継続しなかったりの判断を任されています。私が指揮を執る直前に所謂勤怠の悪さを理由にクビ同然で退職していった人が1名いました。直接の面識は、ほぼ無いのですが。派遣会社にも、派遣先の私の所属会社にも、大迷惑を掛けて辞めて行きました。

 

その後、一人抜けた穴を塞ぐため、業務ローテーションを組み替えた所、『働き方が変わるので辞めます。』という派遣社員の人が現れたのでこの人も退職。

 

都合、2名減になりました。

 

これ結構問題なんです。

 

例えば、1000人規模の軍隊。連隊とか大隊規模だと思いますが、2割戦死したら、もうその軍隊は攻撃力を失ってしまうのだそうです。武器、兵站維持に相当人数を使いますので、純粋に戦闘にのみ従事できる兵士は実際3割程度なんだそうな。

 

同じく、当時の私の部署は11名の陣容で、検査員が8名でした。この8名がいうなれば戦闘要員ですから、内2名が離脱となると、さっきの軍隊の話で言うと攻撃力を失うのに十分なダメージを負った事になります。更にここから、3月頭に一人辞めるのですが(笑)

 

会社からは昨今の不景気を受けて、昨年人員を一人削減せよ!と人減らし(業務量精査を行って、余剰人員は契約更新の有無を検討せよ!)の指示が出てました。

 

まだ私が課長では無かったので、前任者から意見を求められた際、こう答えました。

 

【上司】ひとり派遣社員を契約更新しない様にしようと思う。○○さんがその候補。←勤怠めちゃくちゃの人。

トマさんどうおもいますか?

 

トマ:まず、辞める辞めないで言えば一人抜けたくらいでは問題ありません。苦情・クレーム対応も含めて、私が一人いれば対処可能です。

 

【上司】実はその他にYさんも辞めるつもりらしい。Fさんを本当は契約更新を止めるつもりだったんだけど、計画変更になる。その陣容で、新任管理職としてやって行けるか?

 

トマ:えーと。仕事をやるに於いての前提として、出来るのか?と言われれば人工(にんく)的には出来ない様に見えるのかも知れません。しかしながら、私個人としては仕事は出来るか、やるか、しかありません。出来なくてもやるんです。なので、出来るのか?と問われたら、『私に任せてもらえばやります。』としか返事できません。

 

【上司】でも、実質ただでさえ経験の足りないメンバーから、2人減って大変だし、新しい人を他部署からもらってくる事も考えようか?

 

トマ:いえ、物は考えようです。私の見た所、まだ課員に余裕はあります。それに私が原隊復帰ましたし、先にお願いしておいた技術へレンタル移籍したAさんを戻してくれたので、トマとしては私、A、既にいる新人のUの三人が居れば、明日から、今残っている派遣社員3名が辞めたとしても、持ち応えて見せます。なので、今回の2名減は私に任せて頂けないでしょうか?

 

で、今に至りますが、問題は起きてません。

 

どんな組織でも多分同じだと思いますが、コアになる主軸は3名だと私は思ってます。司令塔1名、参謀1名、兵隊1名。この三人。ここが一つにまとまってさえいれば、後はたこの足なので、幾らでも増やせるし、自由自在です。

 

そこで気が付きました。

 

同一労働、同一賃金。

 

いま、自分が上司に言った話。これ同じ様に判断して、指揮できるヤツが今の派遣社員の中に何人いる?絶対居ないよな。司令塔の役割を担える派遣社員がいない。

 

じゃあ、参謀役は?これも無理。A以上の化学知識と分析能力をもった人材は居ない。

 

じゃあ、兵隊は?これも無理。まだまだ経験も、検査操作の熟練度も、Uには及ばない。

 

じゃあ、同一労働出来る人いないじゃん。

 

ああ、じゃあ良いや。同一労働同一賃金で。

 

変わってくれるような人材なら逆にこちらからお願いしてでも代わってもらって、会社の利益貢献して頂こう(笑)私は喜んで派遣社員として、検査作業だけやるは。給料は今の半分だろうけど(笑)

 

一人で生きて行く分には、つましく暮らせば、まぁ。なんとでもなる。