トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

世界最強通貨が日の目を見るか?

米国の利上げに伴い新興国からの資金流出が懸念されるなか、ASEAN諸国はこのチェンマイ・イニシアチブの拡充を求めている。ところが中国が首を縦に振らない。困ったASEAN諸国が日本に協力を打診したのである。

 普通なら大見えを切るはずの中国が金融協力に消極的なのには理由がある。一つは自身の外貨準備の手元不如意。足元の外貨準備は何とか3兆ドルの大台を保っているが、あの手この手で外貨流出を規制しているにすぎない。

もう一つは自らの人民元外交。国家としての威信を賭け、人民元の国際化を目指す中国としては、ドルを融通し合う安全網を強化しても得点にはならない。

 

(中略)

 

これまで日本が円の国際化を正面から唱えたことは2回ある。最初は1988年。西ベルリンで開かれた国際通貨基金IMF)総会で、当時の宮沢喜一蔵相が円、ドル、マルクの「3極通貨」を唱えた。

 2度目は2001年。神戸で開かれたアジア欧州会議(ASEM)財務相会議を機に、日本側が「アジア通貨バスケット」を提唱した。いずれも円への需要が盛り上がらなかったので尻切れとんぼになった。それに対し、今度はASEAN諸国からのラブコールである。

 こうした流れを受け、財務省は6月12日、ドルを介さず円とアジア通貨で直接取引できる市場づくりの包括策を公表した。円の決済網をアジアに広げる構想である。ドル基軸通貨体制に反旗を翻す動きなら、米国はつぶしにかかるだろうが、今回の動きはあくまでも必要に迫られたものだ。ならば、三度目の正直となるか。日本の通貨外交のカジ取りが試される。

 

 

日経新聞記事より。

 

実質的な世界最強通貨である日本円が、今まで基軸通貨になりえなかったのは結局のところ、敗戦国で、アジアの国だからと言っても過言ではないだろう。でも、だからと言って、世の趨勢はいよいよアジア抜きには語れなくなってきたので、実力通りの位置へ世の中の要請によって押し上げられる感じになってきたなと思う。

 

折角だからこのチャンス存分に生かして欲しい所だが、こういうのにめっぽう弱いのもまた日本なのよね。