トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

雇止めってのは本当につらい。

派遣社員の契約更新をしない事が正式に会社から、各派会社へ通達された。

 

派遣社員の方々を雇っていた人件費が、通年で億を超えると聞いて『へぇ~』とおもったのだが、同時に正社員で派遣社員以上に金を貰いながら、派遣社員よりも明らかに役に立っていないのがいるから、これは理不尽だな。とも思った。

 

私の所属部署の場合。

 

正社員で辞めるやからもおるので、正直その『正社員給料分で賄える派遣社員数は生かしてもらえないか?』と会社に掛け合ってもみた。

 

けんもほろろにダメ出し。一切の例外は認めないとの事。

 

こっちも、そういう事なら考えがあると片っ端から、余計な仕事は断る体制を築くことにした。だって人がいないもの(笑)無駄な仕事は断る。もしくは出来ませんとギブアップする。

 

技術陣営もかなり派遣社員切りにはごねた。そりゃそうだ。試験やデータ取りにはどうしたって人手がかかる。しかも、結構腕前の良い検査員は引く手あまただ。その実験データ取りをまかされている派遣社員が全員有無を言わさず、バッサリいかれたら技術はどうやってデータを収集し、製品設計を組み立てるのか?

 

まあ、お大事にとしか言いようがない。こっちも人の心配をしてる場合じゃない。

 

昨年、私が管理職になるときに2名派遣社員が辞めた。さらに今回、正社員1名を含む4名減になる。このたった半年で、実に6名辞める。元々、11名の部署がいまは9名。一人は管理職なので、実行部隊は10名から8名になった事になる。

 

この10名から2名減の間に組織改革を行ってきたつもりだ。

 

10名から一口に8名というが、中身が問題だ。もともと、実は10名いたころの各メンバーの残業時間は平均で20時間。一人コアになるメンバーは実に50時間を超える月もあった。その人だけはコンスタントに毎月35~40時間の残業を行っていた。苦情・クレームの対応はほぼ品質保証課内で解消できず、技術に丸投げするような状態。

 

それが私が着任する前の品質保証課の実情だった。みんな前任者の課長へは、かけらの信頼関係も無く。ただただ疲れて、辛いという空気だけが支配していた。

 

何せ、この時の部長、課長は二人とも交代させられたくらいですから。新しい部長が誕生しても、品証課の改革は遅々として進まず、専門外から来た新部長にはどうにもならなかった。そこへ海外から戻った私が、管理職として着任する話があり、当初は2020年4月から管理職という話だった。

 

ところが、新部長の身がもたないという事で、半年繰り上げて人事を断行。帰国してから20日後に課長へ昇進して前任者と入れ替わるというスピード人事を行った。引継ぎは3日間(笑)

 

そこから、約半年後に今の状態。現在残業時間はほぼゼロ。課員は派遣社員も含めてほぼ定時に上がる。一部のコア社員だけが20時間いくか行かないかの残業を行う程度。これは部署で一人だけ。

 

この一人は私の腹心の部下で、課長職就任と引き換えに技術に出向していたヤツを戻してもらった。

 

結果、2名減でも、見違えるようなパフォーマンスを出している。

 

で、現在こっから更に4名減らされるという状況。8名→4名って事。

 

ただ、今の私の考えでは、日常業務だけならば4名減の兵隊4名、課長1名でもやって行けると思っている(笑)

 

異常事態が起きて、苦情・クレーム処理を行う時だけ、おそらく人手が足りなくなる。

 

なので、余計な仕事は極力そぎ落とす必要があり、そのための布石を仕込んでいる最中。準備期間が2カ月も無いが、辞める正社員の分の仕事は実は前々から、いなくなっても良い様に水面下で準備をしていた。元より、辞めなくても、その正社員には仕事をなくしてもらうつもりだったからだ。

 

その社員じゃなければわからない属人化している仕事を課長着任直後から洗い出し、誰でもできるように変える手筈を整えていた。辞めるとまでは思っていなかったが、現在では全く影響無い状態にしてある(笑)

 

現在、我が組織の仕事の殆どは常に誰かに引継ぎ可能な状態にしてあり、属人化している仕事はほぼほぼ無い。よって、私に『この仕事は難易度が高く、時間もかかるので他の余計な仕事を請け負う余裕がない』などとほざく派遣社員や正社員は即刻担当から外し、本人が自分しか出来ないと思い込んでいる仕事を外すという事をやるし、やれる。

 

事実、そのあとひと月程度で辞める社員の子は実質的な引継ぎはゼロだ。なぜなら、その人の殆どの仕事は私と腹心の部下で出来るようにしておいたから。どうでもいい雑多な仕事のみ、派遣社員の子に引き継がせているが、その仕事も、実は辞める本人より、派遣の子の方が適正が高いため片付けるのが速い。

 

念のため言っておくが、この辞める正社員の人は決してアホではない。元開発技術出身の分析技術も経験した化学系大学院出の秀才だ。自分の学歴を鼻にかけ下を見下す典型的な残念な人、意識高い系ってどこにもいるでしょう?その人だ。

 

なので、何が起きても良い様にしておいた(笑)

 

結果、『何かわからない事ありますか~?いるうちに来てもらわないと困るので~?』と本人が言ってきたときも、『聞かなきゃいけないことは一切ないのでご心配なさらず』と返している(笑)

 

実際その通り、業務は遂行され、前任者が担当しているときよりも、スピードが速いので他部署にも、お客様にも喜ばれている。

 

で、

 

何が言いたいのか。組織は人だ。みんながそう思っているはず。その中で、自身の力量に応じて、仕事を振り、組織として統率されてこそ、個別、個々の能力を2倍、3倍と伸ばし、仕事を効率よくこなせる集団になって行く。

 

バラバラで統率されていなかった組織を少数精鋭に作り変えるため、頭(かしら)を私が担当し、腹心には模範を示してもらい、残った兵隊をまとめ上げ、鍛え直したのだ。だから短期間に効率の良い組織が作れた。まだまだ良くなる筈だった・・・。

 

今回は残念ながら、さらに上を目指してもらいたかった派遣の子たちには悔しい結果になってしまうが、必ず業績を上げてまた雇いなおせるようにしたいと考えている。彼女、彼らの将来は我々、歳を食ったおっさん連中とは違うのだ。もっと訓練し、技術を学び、より高い給料をもらって、社会に貢献してもらう必要がある希望の星たちだ。

 

そういう意味で、とても残念で悔しいという話。

 

これからきっともっとこのような話は多く出てくるはずだ。

 

自分の事だって、明日は我が身だが、それよりも、未来ある若者にもっと夢や希望を持たせられる大人で在りたいと心底思う。特に自分は独り身なので、いざとなったら、木の根をかじり、泥水をすすってでも生きる覚悟がある。でも彼ら、彼女らは違う。今、そんな事をしてもらう時ではない。滋養を与え、訓練を施し、力をつけてもらいたい時だ。若い時にしかそれは出来ない。バネはぐっと縮ませてこそ大きく跳ねる。その力を蓄えるときに学べず、生きる事に必死にさせては視野が狭くなる。

 

私はそれが残念でならない。