シンガポールのHousehold Expenditure Survey(HES)によれば、家庭教師の利用金額はこの10年ほとんど変わらない一方で、塾の利用金額が激増している。家庭教師ではなく塾を選んだ人たちにその理由を尋ねると、「高いから」以外に、「よい家庭教師を探すのが大変だから」「評判のいい家庭教師を確保できなかったから」という声が頻繁に出てくる。
つまり家庭側が優秀な家庭教師を確保するのが難しく、獲得競争が熾烈なのだ。もちろんシンガポールには日本にもあるような家庭教師紹介サイトや派遣サイトのようなものがある。しかし、実際に家庭教師を雇っている人に、どうやって見つけたのかを聞くと、ほぼほぼ「友人や親戚の紹介」だ。
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週刊東洋経済記事より。
シンガポールは華僑出身の首相が、初代国家元首の国だ。優れた海水浄化設備を持ち、国の飲み水対策をし、資源を持たないため、人を最有力の国の利益の源泉とする国。日本に非常に似ている。
そのシンガポールは教育が無償で提供されている。小学校だけでなく、中学、高校、果ては大学まで。
ただ、その高学歴校への進学は内外含めて熾烈を極める。
学歴大国中国や韓国と比べても、それはより一層際立つ。
シンガポールの親の世帯収入中央値は月収68万円。そのうち、教育費は実に40万円近いという。優秀な学校へ進学するためには、塾だけでなく優秀な家庭教師を父母の代わりに着けるという感覚なんだそうだ。
人格も優れ、実績のある家庭教師はごく少数で、その家庭教師はとんでもない金額で取引されている。月20万円から40万円かけて雇われるとのこと。そこまでしているから、そりゃ競争力のある優秀な学生を多く輩出する訳である。
日本には幸い多くの大学があり、今はその数が多すぎるくらいなのだから、是非将来の国を担う未来の国民へ投資する流れを作ってほしい。
世界最速で少子化が進む日本において、今一度、人材こそが最大の資産と考えて、徹底的に投資して、育て上げてほしい。
何度もいうが、日本の人材の外の国には無い最大の利点は、『徳』という考え方を教えられる事無く備えていることだ。
例えばお金。日本人は「金じゃない。」と思っている人が多い。つまり、普遍的な価値として、金以外のものに価値を置く文化があるのである。金に汚いという言葉がある通り、儲けることを否定することなく、物欲だけではダメだということを、しっかり知っている事が凄いのだ。
信用、信義を重んずる国民性は何にも代えがたいものだと私は思っている。
これは全世界みても、国民一人一人レベルで、魂に打ち込まれているのは日本くらいだと思う。この根本があるから、治安の良さであったり、他国が羨む国民性が、おもてなしの所作に表れてゆくと考えている。