トマの日記

忘備録、雑感、所感などを日記形式で書き綴る。昔はノートに日記を付けていたけれど、ノートを持ち歩かなければいけなかったので、ブログ形式でWeb更新出来る様に変えたのがきっかけ。

車業界は反応が速い。

自動車メーカーは需要の急減に対応を迫られている。米ゼネラル・モーターズは北米の工場を休止し、世界の正社員約6万9000人の給与の2割の支払いを延期。工場休止はトヨタなどの日本メーカーにも広がり、米国ではホンダが1万人規模の一時帰休を始め、日産自動車は約1万人を一時解雇した。

 こうした動きに国内も無傷ではいられない。トヨタは4月3日から輸出向け車種を製造する国内5工場7ラインを一時休止した。宮田工場は北米向けの「レクサス」を多く生産するため、稼働停止が9日間と5工場で最長となった。トヨタは4月15日、グループ会社を含め国内の完成車全18工場での減産を追加で発表。影響は長期化してきた。

 宮田工場は08年のリーマン・ショック時には工場内にあった派遣事務所は閉鎖され、派遣社員が一斉に工場を去ったことがある。「コロナ・ショック」でトヨタは既に全ての工場で直接雇用の期間工の募集を停止。派遣社員の追加発注もほぼ止まっているとみられる。

 

 

日経ビジネス記事より。

既に4月から始まっている自動車業界の雇止め。20代派遣社員のコメントがこの記事には載っていたが、「考えても自分ではどうにもならないので考えないようにしている」と言っていた。仰る通りなのだが、そう言わざるを得ない現実がそこにはある。

 

自分の所属会社が、派遣社員の雇止めを行うという話を前の日記で上げたが、これから世界中で自動車産業だけでない大手企業の休止による雇止めや解雇が表沙汰になる。

 

IMFでは今年の失業率は5%を超えるなんて予想しているし、既に自動車産業の部品メーカーでは潰れる会社も出てきている。

 

自動車や住宅は基幹産業だ。しかも関連会社が非常に多い。住宅も自動車も、部品点数が多く、最初から最後までその会社が完結する訳ではない産業だ。

 

例えば、〇〇ホームという建築会社があっても、大工さんはその社員じゃない。地元の大工さんだったりするし、大工も大工で、墨打ちする職人や基礎を作る職人上物を立てる人もいれば、最後に内装を行う職人もいて、いろんな建築資材を使う人が色々かかわって一つの家ができる。ゼネコンが扱うような大型建築物や道路も作っている人は職人で、別にゼネコンの社員じゃない。

 

自動車も同じ。売ってるのはトヨタとか日産だが、部品を作ってるのは中小企業だったりする。組み立ては自社でやってるが部品を全部作っている訳ではない。

 

だから、自動車工場が止まれば関連産業の会社は休まざるを得ない。でも関連会社の休業は保証されない。トヨタ本体はその社員を保証することがあってもだ。

 

同じ理屈で、建築業も扱われる。つまり、裾野が広い産業であればあるほど休業の影響は広く大きくなる。飲食業やアパレル産業ばかりに注目が注がれているが、問題はそっちよりも、深く製造業や生産的な仕事にかかわる分野の業態の方だ。なんだかんだ言っても日本はモノを作って売るタイプの生業が多い。そこが止まってしまえば、その影響は計り知れない。いったいどこまで、どのくらい負の影響が出るのか見当がつかないからだ。

 

これがリーマンよりも今回のコロナの方が深刻であるという結論の一つだと私は思う。

 

しかも、この手の問題が、今後世界規模で起こる。すでにインドは2カ月目の非常事態&都市封鎖期間に突入した。13憶人の国で国家規模の封鎖を行っている。

 

ちなみに自動車産業は軒並み前年比割れだが、スズキやスバル、日産、三菱は半減以上に業績が悪化している。日産、三菱はともかくスズキの業績悪化は明らかにインドの減速によるものだろう。それが証拠に同じ軽自動車大手のダイハツは26%減に留まっている。埼玉にはスバルとホンダの工場があるので、気が気じゃないが、いずれここも大きく派遣社員の雇止めが起こると予想している。